復活!自作パソコンのススメ-つづき(2)

前回、一通り必要なパーツを買い揃えたので、ここからは各パーツの組み立てと、WindowsOSのインストールとHyper-Vインストールの手順を簡単に説明します。

1.組み立てPCで最初にやっておくべきことは、PCケースに電源が取り付けられていない場合や、ハイパワー電源に交換する場合は、取り付けておきましょう。また、M/BやHDDのPCケースへの固定(ねじ止め)の際に邪魔になるので、両側のケースカバーをあらかじめ外しておくのがいいでしょう。

電源
電源

2.そして、新品のケースの場合は、M/Bを固定する金具が取り付けられていないと思われるので、取り付けたいM/Bをいったん梱包から取り出すか、マニュアルを見ながら、固定用ねじ穴の位置を確認のうえ、M/B固定金具を取り付ける。(M/Bの大きさと取り付け穴の位置は規格化されているため、寸法を測っての位置決めは不要で、単に最寄の穴に取り付ければよい。)

ただし、この時点では、M/Bを固定しないこと。固定する前にしないといけない作業があります。

3.次に開梱してとりだしたM/Bに、CPUを取り付けます。CPUとソケットには向きがあります(あわせるための印がそれぞれに付いてます)ので、マニュアルを見ながら正しい向きで、まずはCPUを取り付けてください。

4.取り付けたCPUにCPUクーラー(ヒートシンク)を取り付けます。今回私が購入したM/Bには、CPUに付属のCPUクーラーを固定するのに必要な金具と、不要な金具が取り付けられていますので、CPUおよびM/Bのマニュアルを見て、必要な金具を使ってCPUクーラーに取り付けられている4箇所のねじがM/Bのねじ穴に合うように、慎重にCPUの上面に乗せてねじ止めさせます。(接合面に対しての多少の水平移動や回転はグリスを延ばすことになるのでいいですが、くれぐれも傾かせることはないように。)

Ph1組立完成(内部)
Ph1組立完成(内部)

※CPUクーラーにも形状的な向きがあります。側面の4辺のうち一辺に”AMD”のロゴが付いた凸部があり、これがメモリスロット側にあると、メモリが挿せない状況となるのと、ファンの電源ケーブルとM/Bのファン用電源コネクタが届くような向きでCPUクーラーの向きを合わせること。

CPU取付
CPU取付

※また、ここで注意すべきは、ねじ止めの仕方で、4箇所を対角線の順に少しずつローテーションさせながらねじ止めしていくようにすること。こうすることでCPUに危険な偏った負荷を与えずにCPUクーラーを水平に密着させることができます。

補足)通常なら、ここでCPUの上面にシリコングリスを(左官屋さんのように)気泡が入り込まないように均一にヘラで伸ばしておく必要がありますが、付属のCPUクーラーのCPU接触面にはグリスがきれいに塗布されているので必要ないです。

5.マニュアルを見ながら、CPUタイプ(PinnacleRidge|SummitRidge|RavenRidge)と用意したメモリーのタイプ(デュアル|シングル  チャネル)に応じて、M/Bのメモリスロット位置に取り付けます。(このとき、M/Bを梱包していた通電防止用の袋をM/B基板の下に敷いておくこと。できない場合は、M/Bを先にPCケースに固定してしまってもよい。ただしこの場合もメモリを挿してから配線すること)

参考)私が購入したメモリはデュアルチャネルタイプのメモリで、CPUは”RavenRidge”(”Ryzen”でウィキってください)なので、B450Pro4のM/Bにおいては、A2とB2のスロットに挿すことになります。

※メモリモジュールにも向きがあります。端子側に切り込みが中央位置よりも少しズレた位置にあります。この切込みがメモリスロット内の凸に合うような向きで挿入します。また挿入する際は、通常、両端の取外し用レバーを開いた状態にして、通常は傾かないように水平な状態になるよう注意して差し込むが、このM/Bのメモリスロットの一方にしか取外用レバーが付いてないので、先にレバーがないほうにあわせてあまり水平を意識する必要なく押し込めばよい。

6.PCケースに、まずI/Oパネルのベゼルをケース内側から押し込んで取り付け、このベゼルの各種穴に各ポートが当てはまるようにしながら、M/Bをねじ止めして固定します。(そういえば、ねじはM/Bに付いてなかったような。。。)

※このときも、一箇所ずつねじ止めするのではなく、すべての箇所にねじを少しずつ対角線順で留めていくこと。(ねじ穴の位置は規格化されていても、若干の誤差はあるので、すべてのねじ穴に通るよう位置調整しながら固定していくこと)

7.各種配線を行います。マニュアルを見ながら、電源からの配線をM/BやHDDにつなげ、PCケースの各種LEDやスイッチ、USBやスピーカ&Audioケーブルを所定のポート(端子)に、SATA-HDDのデータ線をM/BのSATAポートに接続させます。

8.以上の状態で、電源ケーブル、モニタ、キーボードならびにマウスを接続して、電源を投入し、導通ならびに取り付けたパーツが正しく認識できているかをBIOS(UEFI)画面で確認する。(M/Bにモニタ出力がない場合は、手順10のうちグラフィックボードのみを取り付けてモニタにつなげること)

9.電源をOFF(電源の主電源スイッチもOFFの状態に)にした後、各端子に接続した配線は、CPUファンやPCケースのファンに巻き込まれないよう束ねて整理しておくこと。

10.(必要に応じて)グラフィックボードやHBAカードなどの拡張カードをPCIeスロットに挿入し、また(必要に応じて)内蔵HDDをPCケースのHDDベイの固定金具を使ってPCケースにねじ止めして固定します。

内蔵HDDの固定
内蔵HDDの固定

11.一通り購入したすべてのPCパーツを取り付け、電源やデータ線などの接続漏れ・抜けがないことを確認して、再度電源を投入して、手順9.以降で取り付けたパーツが正しく認識できているかをBIOS(UEFI)画面で確認する。

12.以上ですべてのパーツが取り付けられ接続が確認されたら、電源OFFのうえ、いったんケーブル、モニタ、キーボードならびにマウスを抜きとり、PCケースの両側のカバーをねじ止めして、PCを設置場所に置き、再度電源ケーブル、モニタ、キーボードならびにマウスを接続しなおして、電源を投入し、前手順11で確認した状態であることを再度確認する。

組立完成Ph1
組立完成Ph1

ここで、PCの組立作業は完了!

今回は、初期導入費用を抑えての構築作業(Phase1)なので、スカスカ!

今後は、消費電力や発熱をみながら、HDDを増設して、RAID構成を組み、メモリの増設、CPUをアップグレードして、最終形態にさせようと思う。

13.OS(ここでは、Windows Server 2012 R2)のインストーラメディアを挿入して、当該メディアドライブからブートさせる。

14.OSのインストールウィザードが開始するので、手順に従いOSのインストールを実施する。(オンボードのSATAポートに接続したシステムドライブ用HDDにインストールするためとくに追加手順はないが、HBAに接続したHDDにインストールする場合はそのドライバを読み込ませないと、インストール先のHDDが指定できない場合があるので注意)

15.OSのインストールが終了して、OSが通常状態で立ち上がったら、ローカルAdminユーザでログインして、ホスト名やLAN接続、OSライセンスのアクティベーション、M/Bに付属のドライバCD内のドライバやツールのインストール、WindowsUpdateなど、OSの初期設定作業を実施する。

※本手順は、WindowsのHyper-V機能を導入することを前提としている。このため、前手順にてホスト名の変更やWindowsUpdateを実施でシステムの再起動が発生するので、これにあわせて再起動ないしシャットダウンを行い、BIOS(UEFI)画面で、Hyper-V導入に必要な下記CPU設定を施すこと。

要変更箇所:「Advanced」>「CPU Configuration」>「SVM Mode」=”Enabled”

※また、この設定は、マニュアルでは、デフォルトで”Enable”との記載があったが、実際は”Disabled”になっており、BIOSのファームウェアアップデートを実施するたびに変更してやる必要がある。

16.再度OSを立ち上げ、ローカルAdminユーザでログイン後、「役割と機能の追加」を実施して、「Hyper-V」をインストールする。

※このときまでに、前手順15に示す、BIOSの設定変更を実施していないと、インストールに失敗する。

以上の手順で、自作PCの組み立て~Hyper-Vのインストールが完了し、無事Hyper-Vによる仮想化基盤の実現に成功しました!

この結果、現時点では情報がなかった、AMD Ryzen CPUでのHyper-V仮想化基盤の自作について実績ができました。もし、ご興味があればお試しあれ!

 

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