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IBM Thinkpad 240にWin95をインストールする~その2~

ここからは、使用するPC筐体に特化した内容となりますが、Win95自体が標準で認識できるデバイスはごくわずかに限られていますので、作業の流れ自体はほかの筐体のPCでもほとんど合致することと思われます。

また、このページでは、現在のパソコンと同じように使えるように、必要最低限のハードウェアデバイスを利用可能にするまでの作業範囲を記します。(これらを利用するアプリケーション(ソフトウェア)の利用については、また次回とさせていただきます。

1.BIOSのバージョンアップ

まずは、パソコンの基盤となるBIOSのバージョンを最新というか最終バージョンにする。
ドライバをダウンロードしたサイトにて、BIOSのアップデータの情報が記載されてあったので、最終バージョンを確認したところ、” IRET77WW(1.18) ”とのこと。
一方、私の所有するTP240のBIOSバージョンを確認したところ、、、、

TP240-BIOS Ver.

上図のとおり、” IRET77WW ”と表記されていた。なので、本記事では省略。(また別の機会に実施するかも)

2.チップセットのデバイスドライバのインストール

次に各デバイスをつなぐインタフェースの心臓部ともいえる重要なチップセットの最終デバイスドライバをインストールする。TP240のチップセットは、なんと名器として名高い”440BX”。これならこのPCも安定して使えるだろうと期待を大きくして、そのためにも最終アップデートはさせておきたい。

ドライバダウンロードサイトから、「Windows 95/98 installation supplement files – ThinkPad 240」のページにて、”W9xsfdir.exe”(自己解凍ファイル)をダウンロードし、これを実行すると、C:ドライブ直下に、”C:\Drivers\w9x\supp”(デフォルトパス)フォルダに展開されるので、ここからさらに下層の”.\Chipset\Win95”フォルダ内にある”setup.exe”を実行する。

ちなみにこのとき、”Chipset”フォルダと同階層にPCカード用のデバイスドライバも展開されている。(この使用については後述)

tp240_chipset driver

上図のようにGUIのインストールウィザードが実行されるので、表示された内容に従い進めていき、正常終了すると再起動の要求ダイアログが表示されるので、再起動する。
再起動してWin95が立ち上がると、すかさずインストールしたデバイスドライバによって多数のデバイス(PCIバス周りのシステムデバイスとIDEコントローラ)が続々と認識されだす。

IDEコントローラの認識

一通り認識し終えると(IDEコントローラのデバイスドライバのインストール 後)、また再起動が要求されるので、再起動。

正常にインストールできたかは、「コンパネ」>「システム」>「システムのプロパティ」から、”デバイスマネージャ”タブをクリックして、
PCIバス周りのシステムデバイスとIDEコントローラ が認識されていることを確認すること。(以降の作業でも、同様にして作業完了を確認する)

2.サウンドカードの デバイスドライバのインストール

チップセットが終わってしまえば、あとは何からでもいいかと思うのですが、個人的には、どうしても早くWin95の起動音を聞きたくてたまらないので、オーディオデバイスのデバイスドライバを次にインストールすることに。

ドライバダウンロードサイトから、「Windowsの95 / 98のためのオーディオドライバ – ThinkPadの240」のページにて、” aftpir9x.exe ”(自己解凍ファイル)をダウンロードし、これを実行する。すると、C:ドライブ直下に、”C:\Drivers\w9x\AUDIO”(デフォルトパス)フォルダに展開されるので、このフォルダ内にある”setup.exe”を実行する 。

オーディオデバイスのドライバ

上図のように、”ESS Solo-1 Installation”のGUIウィザードが開始されるので、表示内容に従い手順を進めてインストールを実行。完了すると再起動が要求されるので、再起動!

再起動すると、インストールしたデバイスドライバによって、オーディオデバイスが認識されてくる。が、なんとここで”Windows95 CDROMの要求”をされてしまう!

Win95でドライバインストールでよく出る難所

しかし、慌てずに”D:\Win95″を指定する (実のところ、途方に暮れてあちこち探しまわったが) 。
以降の作業でも、頻繁に出てきて、その度に指定するパスが違うので要注意!

すると、またしばらくデバイスの認識とインストールを始めて、、、、
それが終わると同時に、Win95の起動音が流れてキター!!

3.GPU( グラフィックボード )のデバイスドライバのインストール

今までの作業は、TP240の小さい画面の中のさらに小さい領域に表示されたデスクトップ上で操作している。これだと作業効率が悪いので、GPUドライバをインストールする。

ドライバダウンロードサイトから、「Windowsの2160 / 95用のビデオドライバ(NM98) – ThinkPadの240」のページにて、” vftpir9x.exe ”(自己解凍ファイル)をダウンロードし、これを実行する。すると、C:ドライブ直下に、”C:\Drivers\w9x\DISPLAY”(デフォルトパス)フォルダに展開される。今までの作業だと、このフォルダ内にある”setup.exe”を実行するのが通例であるが、このデバイスドライバにはインストーラがない 。なので、デバイスマネージャから現在の標準のグラフィックカードから、ドライバを更新する手順でデバイスドライバをインストールする。

グラフィックドライバファイルの展開
標準ドライバからの差し替え
ドライバファイル展開先の指定①
デバイスの認識
デバイスドライバファイルの要求
ドライバファイル展開先の指定②
本来のディスプレイアダプタとしての認識

以上、今回のドライバは、インストーラを使ってシステム内に組み込まれることもなく、ロードするドライバはすべてデバイス製品固有のものばかりだったので、選択も容易だった。

完了すると再起動が要求されるので、再起動! すると、画面いっぱいにデスクトップが表示されて、操作しやすくなった。

4.USB接続ストレージドライバのインストール

ここまでの作業では、あらかじめ内蔵HDDに必要なドライバファイルを格納して、セットアップしているが、今後使っていくうえで便利アプリを入れたくなると、FDでは容量が小さすぎて、何度もPCでのダウンロード&書き込みとFDDでTP240に読み込ませてインストール羽目になる。そこで、せっかくUSBポートがあり、インストールしたWin95も”USBサポート版(OSR2)”であることから、ここでUSBメモリを利用可能にする。

ただし、ここで注意すべきは、Win95 OSR2であっても、そのままではUSBメモリは使用できない。また、2GB程度という今では入手困難な小容量USBメモリを使用する必要がある。(現在のUSBメモリは、安くても数十GBレベルで利用できない恐れあり)

まずは、D:ドライブにコピーした”Win95 with USB Support”メディア内の”D:\other\USB”フォルダから、USBSUPP.exeをWクリックして実行する。

すると、「Microsoft追補版USBをインストールするか?」の確認ダイアログが表示されるので 、「はい」をクリックしてインストールする。なぜかこの直後スキャンディスクが起動する。

インストールに成功すると、再起動が要求されるので、再起動する。しかし、再起動後にデバイスマネージャを見ても状況は変わらず。(”PCI Universal Serial Bus”は「?」<未認識>のまま)

そこで、当該デバイスを右クリックしてプロパティを開き、”ドライバ”タブにて「ドライバの更新」をクリックする。

デバイスドライバウィザードが開始するので、自動検出ではなく、手動による”一覧からドライバを選ぶ”を選択して、「次へ」をクリックする。

USBコントローラデバイスの認識開始

すると、次の画面で、”スタンダード Univeral PCI to USBホストコントローラ[4-21-1997]”が表示されるので、これを選択の上「完了」をクリックする。

Windows95 CD-ROMを要求してくるので、”c:\windows\system”フォルダ内にある”uhcd.sys”を指定。これで”USB Root Hub”などが認識されるが、まだ未認識状態。

なので、このまま手動で再起動を実施。すると、これでようやく”Univeral Serial Bus”デバイスとして認識してくれた。

USBポートのテストがてら、USBデバイス(マウスとか)を接続して認識させてみたいと考えるが、、、Win95で標準で認識してくれるUSBデバイスは皆無っていいほどない。なので、この段階での動作確認は不可(一応、USBポートに刺せばPnPで反応はしてくれる)。ひきつづき、USBストレージドライバのインストールに取り掛かる。

ところで、これから使用するドライバは、MSやUSBメモリといったメーカからの提供ではなく、フリーソフト(USB Flash Drive driver for Windows 95 OSR/2.1)である。このダウンロードページw95usbflash11.zipか95usbflash11.exeをダウンロードして展開する。

このデバイスドライバのインストールは、まずUSBメモリをUSBポートに接続し、
不明デバイスとして自動検知したあとに、ドライバのパスとしてこのフォルダを指定する。l

USBメモリ接続後に認識された不明デバイス
デバイスドライバのパス指定①

すると、さらに下図のデバイスとしてのデバイスドライバファイルのパスを要求されるので、再度同じフォルダパスを指定する。

デバイスドライバのパス指定

すると、下図のようにデバイスマネージャに”USB Mass Storage Port”が登録され、マイコンピュータ内にリムーバルディスクとして、USBメモリが認識される。
これをクリックすれば、中のファイルにアクセスでき、未フォーマットであればフォーマット実施して利用可能となる。

USBメモリの認識完了

5.PCカードスロットのデバイスドライバのインストール

次に、ノートPCの機能拡張の肝ともいえるデバイス、PCカードスロットを利用可能にするための手順をいかに記します。なお、これが完了しないと、次項以降のデバイスが利用できなくなってしまうという肝心な作業です。

現段階(Windows95インストール直後から、上記デバイスの認識作業完了まで)では、おそらくデバイスマネージャ内で、PCカード関連デバイスは、未認識?の状態になっていると思われます。(そうでなかったら、本作業は不要)

本作業前の状況

まずは、上図の状態から、デバイスマネージャ内の”その他のデバイス”から、未認識状態の”PCI Card Bus Bridge”を選択して、「ドライバの更新」を実施。

すると、デバイスドライバウィザードが開始するので、最初の画面にて、とりあえず「自動検出」を”はい”を選択して「次へ」をクリック。(これは、常套手段)

デバイスドライバファイルのパスの指定を要求してくるので、前作業「チップセットのドライバのインストール」で作成された”C:\drivers\w9x\supp\”内の”.\pcmcia\win9598を指定する。すると、下図のようにデバイスが認識される。

認識されたPCカードコントローラ デバイス
ドライバファイル”carddrv.exe”のパス指定(D:\WIN95)
正しく認識された結果のPCカードコントローラデバイス

ウィザード完了後、再起動の要求はないが、デバイスマネージャの”PCMCIAソケット”の中に利用不可のデバイスが残っているので削除処理(下図の”このハードウェア環境から削除する”にチェック)。そして再起動を実施する。

残ってしまった使用不可デバイスの「削除」処理

(ちなみに「その他デバイス」に残っている”PCI Communication Device”は、TP240のスペックからモデムと推定される。これはもう、国内インフラ的に使用できないので、”使用不可”状態のままにしておく。)

なお、動作確認については、次項以降の作業の実施でその代替とする。

6.CD-ROMドライブのインストール

一応このPCの用途としては、Win95マシンの出来上がり(自己満足)&即保管ではなく、Win95デモ機として、またVisualBasicなどで簡単なWinアプリを使って遊べるようにしておきたいと考えており、するとMS OfficeやVisualBasic(Visual Stadio)のインストールのためにCDドライブが欠かせなくなってくるので、オークションで落札時に付属でつけてくれたPCカード接続用のポータブルCD-ROMドライブを利用可能にする。

ここで認識させるのは、前述のとおりオークションで付属していた、Panasonic ”KXL-830AN” とする。

これは、外部電源が不要で、PCカードに接続するためのATAPIカードも付属しており(出品状態がかなり良かった!)、あとはただ差して付属のドライバを読み込ませればよいだけの事。後はいつものデバイスドライバウィザードが開始されるので、デバイスドライバのパスの指定を”A:\”にすればよい。

CD-ROMドライブ(KXL-830AN )のPnP自動認識
関連デバイスの認識完了(CD-ROMとSCSIコントローラ)
CD-ROMの読み込み

7.LANカードのインストール

以前に、TP385ED落札後に、LAN接続も想定していたので、オークションでTDK製 PCカード型LANカード”LAK-CD021BX”を落札していたこともあり、これをtp240で認識させてみることにした。当時のWin95ノートPCには定番的な製品で、Win95に対応したデバイスドライバも付属しているのだが、落札商品にもこれを含む付属品すべてと箱までついているという状態良好の品だった。ちなみに、TP385EDで使うことを想定しており、非CardBus対応PCカードスロットのノートPCにも使える 。

手順としては、PCがOFFの状態で先にPCカードスロットに挿入して起き、立ち上がったと同時に、デバイスドライバウィザードで認識させて、付属FDのドライバを読み込ませるとのことなのだが、この前に試した同じNICデバイスのPCI製CF-10Tの導入時に、しくじってドライバ導入中にフリーズさせてしまい、その後PCカード型NICを接続すると、フリーズしてしまうという状況に陥ったので、Win95を立ち上げた後に装着して、デバイスドライバウィザードでデバイスドライバを読み込ませることとした。

PCカード型NICの接続
デバイスドライバファイルは付属FD内の”WIN95”フォルダ内にある
デバイスの認識
デバイスドライバファイルパスの指定①
(ハードウェア)
デバイスドライバファイルパスの指定②
(NICのAPIドライバ)
NICとして認識完了

デバイスの認識が完了すると、引き続きネットワークの環境設定画面に遷移する。このページでは、ハードウェアの認識を本題としているため、手順としてはいったんここまでとして、LANに接続するための設定については、後日投稿する予定です。

8.最後に

以上で、遠い過去の遺物であったTP240を、 現在のパソコンと同じように使えるように、必要最低限のハードウェアデバイスを利用可能にするまでに至りました。

最後に、以上までの作業で作り上げてWindows95パソコンの起動までの動画をご覧ください。(もちろん、起動音も聞けます)

立ちあがれ、Win95!

次回からは、これらをフルに?活用するためのアプリケーション(ソフトウェア)の使用(レビュー)とLAN接続設定について、書いていこうと思います。

Win95のLAN接続設定

前の投稿では、TP240のPCカードスロットに、PCカードNICを接続させてネットワークデバイス(ハードウェア)として認識させたが、ここからは宅内LANに接続させるための設定作業内容を示す。

続きとなるので、
前提として、NICが正常に認識されていること。H/W的に接続されて、そのNICデバイスのデバイスドライバが読み込まれ、NICが利用可能な状態になっていること。

この状態に至った直後であれば、引き続きネットワーク設定のウィンドウが開いているままかと思われるので、そこから本書を読み進めること。

1.「コンパネ」>「ネットワーク」をクリックすると、下図のウィンドウが表示される。

LAN接続設定♯01 ※

※上図の状態は、NIC(ここでは、TDK製LAK-CD021BX)が初めて認識されたときの状態ではなく、次手順に記すとおりに不要なものを削ぎ落とし、必要なものを追加した状態である。 <削除するもの>

2.下記の各機能を追加および削除する。

<削除するもの>

  • (クライアント)NetWareネットワーククライアント
  • (プロトコル)IPX/SPX互換プロトコル
  • (サービス)NetWareネットワーク共有サービス

<追加するもの>

  • (クライアント)Microsoftネットワーククライアント
  • (プロトコル)TCP/IP
  • (サービス)Microsoftネットワーク共有サービス

3. 以上の追加・削除を実行すると、下図のようにあらたにシステムファイルなどのインストールが必要となるので、Win95インストールCD内の“Win95”フォルダを指定する。(当PCでは、D:ドライブにこのCDコンテンツをコピーしている)

LAN接続設定♯02

3. 前手順1.に示した図内のTCP/IPプロトコルを選択の上「プロパティ」ボタンをクリックして下図のウィンドウを表示し、NICを接続したLAN環境に応じた設定を行う。

LAN接続設定♯03

ちなみに、小生のLAN環境では、DHCPサーバを導入しており、自動でIPアドレス、デフォルトGW、DNSサーバの設定をしてくれるため、特に設定は不要でした。

4. コマンドプロンプトを開き、“winipcfg”コマンドを実行すると、下図のウィンドウが開き、前手順で設定したLAN設定情報が表示される。

LAN接続設定♯04

※小生のLAN環境のようにDHCPで自動取得の場合は、これによってDHCPサーバからIPアドレスおよびLAN設定が払い出されたことが確認できる。

5. DHCPサーバからIPアドレスが付与されているため、NW接続的にほぼ正常に接続していると考えられるが、念のため、PINGコマンドを打って、NW内の他ノードにつながるかどうかを確認する。

LAN接続設定♯05

結果、PINGが(ルータに)通ったことが確認できたので、NWに問題無くつながったことが確認できた。

次に、本作業の真の目的でもある、同一NW内に存在するWindows端末のリソースにアクセスしてみる。

その前に、準備作業として、接続先となる端末に共有フォルダを用意する。
ちなみに、本作業での前提条件は、共有フォルダを設けるWindows端末のOSは”Windows XP”である。※本書末参照

6.接続先端末にて、共有フォルダとしたいフォルダを右クリックして「共有」を実行し、“everyone”を(変更権限で)追加する。

7.前手順の共有フォルダにアクセスするために、Win95側は以下のように設定する。

以上、設定後、再起動を実施する。

再起動後は、ログインダイアログが表示されたら、新規のユーザアカウントを入力してログインする。

デスクトップ上にある「ネットワークコンピュータ」アイコンをクリックして、同ネットワーク内にある、前手順で共有フォルダを設定したWindows(XP)端末が表示されるので、これをクリックして、共有フォルダにアクセスする。

図中”Devterm01”が共有フォルダを設定したXP端末
XP端末の共有フォルダにアクセス成功!

※上記共有リソースへのアクセス検証においては、Windows XPとした。
小生はたまたまWinXP端末を保有していたため、今回のアクセス検証ができた。

実際のところ、現在において端末を用意することは、難しいと思われる。

とはいえ、Windows10など昨今のWindowsOS環境だったり、ADドメイン環境の場合、Win95端末からアクセスすることはさらに技術的に難しいと思われる。
(実際に、小生のLAN環境である、 AD環境配下のWindows10端末で最初試みたが、アクセスできなかった。これは、調べていくと、アクセスに必要なSMBプロトコルがデフォルトで実装されていなかったことをはじめ、その周辺技術も古くなって廃止されていたりするので)

なので、Linux端末もしくはSMB以外でのファイル転送サービスプロトコル(FTP・HTTP、TFTPなど)を用意したほうがいいかもしれない。

余力があれば、というかこれからWin95端末をいじっていくうえでどうしてもWinXPを経由したファイル交換が億劫になったら、その内容の記事を投稿しようと思う。

以上

IBM Thinkpad 240にWin95をインストールする~その1~

先の投稿にて、ひととおりThinkpad系ノートパソコンにWindows95OSを入れる段取りはわかったので、ここでは、3代目となる、本件用にオークションで落札した「IBM Thinkpad 240」(以下、TP240とも記載)をもとに、これをWindows95マシンとしてセットアップしていこうと思います。

まずは、必要機材について。

  • IBM Thinkpad 240(本体と電源アダプタ)
  • Thinkpad付属外付けFDD(この年代の外付FDDタイプのThinkpadであればほぼ共通)
  • Windows95インストールCD-ROM(TP240はUSBポートを持つので”with USB Support”、いわゆるOSR2を使用)
  • 上記インストールメディアに付属のセットアップ起動ディスク(もしくは、ほかのwindows95/98PCで作成した”修復ディスク”)
  • 作業用windowsパソコン(ネットにつながり、CDROMドライブが利用可能であること)
  • USB-IDE変換ケーブル(もしくは、同等の機能を有する外付けHDDケース)
  • 上記パソコンで作成したTP240用デバイスドライバ集(前述のThinkpad系デバイスドライバダウンロードサイトから 集めたもの)

このTP240をご提供いただいたオークションの出品者も、今の私と同じくWin9xのレトロPCを実現させて喜んでいたのでしょう。状態も良く、付属品が充実しており、かなり助かりました。(ありがとうございます!)

以下は、
Windows95マシンとしてセットアップ 後、できる限り便利に使えるようにするためのオプションデバイスとして、

  • PCカードスロット接続用CD-ROMドライブ(Panasonic ”KXL-830AN”やPioneer “PCP-PR24A”などATAPI-PCカードが付属する、本機体型番のTPと動作確認が取れているもの)
  • USBメモリ(数百MBの容量のもの。大きくても1~2GBまでのもの)
  • PCカードスロット用Ethernetカード(ネットにつなげてみたい!と希望するなら、TDK “LAK-CD021BX”やPCI”CF-10T”など)

以上をひっくるめてTP240をWindows95マシンとして構築していきます。

まずは、内蔵HDDが実装されたままのTP240本体に、外付FDDを取り付け、このFDDにセットアップ(修復)起動ディスクを挿入して起動させる。

懐かしいFDDの機械音とともにFDを読み込みはじめ、MSDOSが起動したら、そのまま”FDISK”コマンドを実行する。

A:\> fdisk

実行すると、 下図の画面が表示されるので、 「大容量ディスクドライブのサポートを使用可能にするか?」の確認メッセージが表示されるので、「Y」を入力する。

fdiskコマンドの実行①

すると、下図のFDISKのメニュー画面が表示されるので、まずは[4]を選択して、HDDの状態を確認し、まっさらななにもない状態でなければ、[3]を選択して、さら地状態にする。この上で下記の通りにパーティションを作成していく。

fdiskコマンドの実行②

当機では、1:基本領域(=C:)1000MB、2:残り拡張領域(このFDISKコマンドでは、2つのパーティションを基本領域で作成できないようで、かならず2つ目は拡張パーティションとなってしまう。)で作成する。 ちなみに後者の領域 (上図ではD:) は、 Win95インストールメディアの中身をコピーする先として使用します。

結果、下図のとおり。(注:下図は、すでに次の手順を実施した後の状態)

fdiskコマンドの実行

以上、パーティションを作成した後は、FDISKコマンドを終了させて、プロンプトに戻り、2つのパーティションをフォーマットしておく。

A:\> format D: (およびformat C:)

注)ここで、Win95をインストールする領域もフォーマットしないと、Win95セットアップウィザードの開始直前で、インストールする領域がないということで中断してしまう。

いったん電源を落とし、本体からHDDを取り出し、作業用パソコンにて、Windows95インストールCDの中身と、あらかじめインターネットサイトから集めたTP240用デバイスドライバファイル群を、フォーマット済みの領域にコピーし、これを再び本体内に戻す。

ちなみにこの作業、TP240だと内蔵HDDが筐体を分解しなくても、収納スペースのふたを開けるだけで取り出せるようになって、すごくやりやすかった。初代・2代目のTPだと結構ばらさないといけないから、その途中で筐体にヒビを入れてしまった。(本件、完成するまでに何回か失敗して繰り返し実施してたので)

また、起動ディスクを入れたFDから立ち上げる。今度は、D:ドライブに遷移して、Windows95メディアからコピーしたファイルの中から、”SETUP.exe”ファイルを実行する。

Win95インストールCDからコピーしたファイル

A:\>D:

D:\>setup.exe

直後、セットアップ開始|中断の確認メッセージが表示されるので、[Enter]キーを押すと、下図のようにいきなり画面が青くなり、自動でHDDのスキャンディスクが開始する。

内蔵ドライブのチェック

異常がなければ、これを[終了]させると、下図のようにWindows95のセットアップウィザードがGUIで表示される!

Win95インストール開始!

ステップ#1

注)承諾の後、もしインストール先のHDDに適切な領域がないと認識されると、この直後に中断してしまう。


ステップ#2
ステップ#3
ステップ#4

ステップ#5
ステップ#6
ステップ#7

下図において、後でドライバを手動で読み込ませるので、ここではすべて選択しない状態にして、「次へ」。

ステップ#8

下図の画面にて、デフォルトのまま「次へ」とする。

ステップ#9

下図の画面にて、起動ディスク(FD)を持っていない場合は、ここで作っておいたほうが良いが、ある場合や後で作りたい場合は、このステップを省いても良い。

ステップ#10
ステップ#11

下図の画面に遷移したら、100%に達するまでしばらく待つ。

ステップ#12

やっと、インストール完了! FDを抜いて、「再起動」! !

ステップ#14

ここまでいっても、再起動後に、Win95が立ち上がらないという問題が生じるケースはあるが。。。

再起動がかかり、Win95のインストールが成功していると、いきなり、下図の画面が表示されるので、しばらく待つ。

Win95の初期セットアップ#1
Win95の初期セットアップ#2

下図の画面において、プリンタは接続しないので、「キャンセル」をクリック。


Win95の初期セットアップ# 3

これでOSの初期セットアップ作業が完了。
再起動の要求メッセージが表示されるので、 「OK」をクリックして再起動する。

Win95の初期セットアップ#4 

問題なく正常にセットアップが完了したら、
再起動後、 いきなりログイン認証なしで、デスクトップが表示され、下図のとおり、「Windows95へようこそ」のウィンドウが表示されるはずです。

Win95の初期セットアップ #5

やった!懐かしい画面!!

って、いつまでたってもWin95の起動音が出ない。。。

それは当然、サウンドカードのドライバを当ててないので。。。

この続きは、次回へ。。。

ThinkpadノートPCをWin95マシンにする

ここでは、いままで行ってきたWindows95のインストール作業で得られたスキルと経験を生かし、私の大好きな”IBM Thinkpad”(ノートPCといえば、Thinkpad!とくにXシリーズ)にWindows95をインストールすることにしました。

歴史が長く幅広いラインナップを有するThinkpad製品シリーズから、この事案の要件にできるだけあっている製品をできるだけ安く見つけるために、いつもお世話になっているヤフオクの出品商品の中から、その時点ベストフィットなものを探し出すこととしました。

そして、最終的に購入したのが、「IBM Thinkpad 240」なのです。

しかしながら、実のところ、すぐに「IBM Thinkpad 240」に決まったわけではなく、その前に2台ほど購入しております。その経緯を簡単に以下につづります。

初代は、Thinkpad 385ED。これは、CPUはMMX Pentium、HDD、FDD、CD-ROMドライブ、PCカードスロットをすべて筐体に内蔵するオールインワンタイプのノートパソコンで、バンドルOSはWindows95と、この事案を実現するにはもっともふさわしいスペックであった。ただし、USBポートとPCカードスロットはCardBus非対応というのが残念なところ。

これを、ヤフオクで見つけるなり、スペックをチェックの上、付属品や状態も悪くなかったことから、¥5,000ぐらいで落札。

商品が到着すると早速開梱して、押し入れに眠っていた手持ちのFD版Win95インストールメディアでインストールを開始。最初は快調進んでいたのですが、6・7枚ぐらいのところで、FDを読み込まなくなってしまった!

やはり壊れていたか。。。とあきらめ、FD版に付属のブートFDと、手持ちにあったWin95インストールCDを使って、再度インストールを試みることにしました。

ところが、(当然なのかもしれませんが・・・)FD版のブートFDには、CD-ROMドライブのドライバなどは組み込まれておらず、CD-ROMの中にアクセスすることもできませんでした。。。。

そこで、先人達のお知恵を拝借しようとググってみたところ、内蔵HDDをシステムインストール領域と、Win95インストールメディア内のファイルをまるっと単にファイルコピーしておき、ブートFDで起動後、Win95インストールメディア領域に移って、そのなかのSETUP.exeを実行することでインストールが実施できるとのこと。

これを試してみようと、385EDを分解して内蔵HDDを取り出し、これをLinuxパソコンにUSB-IDE変換ケーブルを介して接続して、”fdisk”コマンドで、上述のとおり2つの領域に分けて、パーティションを作成しました。

# fdisk -l
<省略>
Disk /dev/sdc: 2.9 GiB, 3080060928 bytes, 6015744 sectors
Disk model: -23080
Units: sectors of 1 * 512 = 512 bytes
Sector size (logical/physical): 512 bytes / 512 bytes
I/O size (minimum/optimal): 512 bytes / 512 bytes
Disklabel type: dos
Disk identifier: 0x3289f072
Device Boot Start End Sectors Size Id Type
/dev/sdc1 * 63 4096511 4096449 2G 6 FAT16
/dev/sdc2 4096512 6007679 1911168 933.2M 5 Extended
/dev/sdc5 4096575 6007679 1911105 933.2M 6 FAT16
root@yspc465:~#


root@yspc465:~# mkdosfs -c -v -F 16 /dev/sdc1

root@yspc465:~# mkdosfs -c -v -F 16 /dev/sdc5

※上記のように、3GBの容量を1つの基本パーティション(1GB)と1つの拡張パーティション(2GB)に分け、いずれもパーティションタイプを”FAT16”(ID:6の方)で領域を確保。(後者のパーティションがインストールCDの中身をコピーする先となる)

※また、ポイントとしては、/dev/sdc1のブートの*マークがついていることと、スタートセクター位置が”63”ところでしょう。ここに、Win95をインストールすることになるのですが、このような構成になってないと、インストールできても起動できないという失敗状態に陥ることに。

そして次に、それぞれをFAT16形式でフォーマット。(ただし、ddコマンドでコピーする場合は実施不要)

ちなみに、ここでなぜあえてLinuxパソコンを使ったのかというと、まず1つは、自身が普段使用しているノートパソコンがLinuxであったということ。もちろん、光学ドライブが使える・使いやすかったこと、当初はddコマンドでCDの中身をイメージコピーする方法で考えていたためです。

インストールメディア領域(2GB)のほうに、FAT16でフォーマットしたのちマウントして、そこに Win95インストールCD 内のすべてのファイル&フォルダを、単純コピーして移した。(最初のころは、ddコマンドでインストールメディアのイメージコピーで行っていたが、300MB程度しかなく、さらに後述のドライバファイルを追加で格納することになるので、先人の経験を参考に、単純ファイルコピーに切り替えました。)

(のちの投稿では、パーティション作成やフォーマットは、セットアップ起動ディスク(またはWindows95や98OSで作成した修復ディスク)からも実行しています。そしてこの後、PCからいったん取り出し、普段使用されている別のWinPCに、USB-IDE変換ケーブルなどでつなげ、インストールCDの中身をコピペするというように、手順変更。)

以上、先人たちの知恵を拝借して、Windows95のインストールはつつがなく終えることができ、久方ぶりに念願のWindows95の起動画面を直に目にすることができました!とても感慨深いです!!

しかしながら、その感激もつかの間、待っていても、あの起動音が流れてこなかった。。。。

これは、デバイスマネージャを見るとかなりの数の不明デバイスが存在し、認識済みのデバイスの中から、サウンドカードデバイスが見当たらないので、その不明デバイスの中に埋もれていると思われます。当該製品に付属するインストールメディアでインストールしたのではなく、標準のWin95インストールメディアからのインストールなので、これは当然の結果。。。

そのドライバを入手するには、、、、とりあえずググってみたところ、あるサイトでThinkpad系のドライバをかなりの量を所蔵しているところを見つけ、そこからサウンドカードなど当該製品のWindows95用のドライバをもろもろダウンロードして、適用していった。

この努力?の結果、画面いっぱいに、あのWindowsの空に浮かぶ窓をデザインしたロゴと、その後から、あの起動音のピアノ音がフェードアウトしていくの聴いて、懐かしさのあまり感無量でした。

あとは、このWin95でプログラム開発を行うため、手持ちのVisual C++ 6.0や、歴史観を表すためだけに、わざわざオークションで Office97を 落札してインストールし、ますます当時のWindows95パソコンとしての面影がはっきり現れてきたように思えます。

あとは、さらに、データのやり取りがFDだと1.44MBしかないので、(当時は一部の大企業ぐらいでしかなかったと思われるEthernetでの)LAN接続も実現させようと、PCカード型のLANカード(TDK LAK-CD021BX)をさらにヤフオクで落札し、自宅LANのPCとPINGレベルでアクセスできるようになって、これから当時できなかった分たくさん遊び倒してやろうと大変満足していた矢先、

HDDから息切れかと思わせるようなヘッドがディスク上を一通り検出して元の位置に戻るときに発する異音が頻発するようになったので、内蔵HDDをCFカード化してやろうと、さらにヤフオクでCF-IDE変換コネクタや1GB前後のCFカードを落札して、HDDと交換しようと思ったのだが、これが悲劇を生む結果に。。。。

最初Windows95をインストールしたときの手順と同じく、パーティションを区切って、CDの内容をコピーしてそこからセットアップを開始させようと試みたのだが、何度やってもCFカードを認識してくれず、SETUP.exeにアクセスすることすらできない状態に陥ってしまった。CFカードを変えたり、CF-IDE変換コネクタを別のものに変えたりしても、状況変わらずという状態だったので、やむをえずこの追加計画は中止とすることにしました。

さらにこのとき、すでにこのノートPCの筐体にはあちこちでひび割れを起こしていました。落札当初は写真で提示された許容できる範囲であったのですが、おそらくHDDをCFカードにする計画で、何度も本体をあけたり閉めたりして、バキバキというかポロポロと、おそらく、経年劣化で当時の(現在と比べて) 粗悪なプラスチックが、脆くなってしまったのでしょう。。。 筐体のプラスチックは、ひび割れしてきてはそこからさらに破片となって、みるみるうちに、筐体のほとんどがバッキバキに割れて、とうとう筐体としての程を成さなくなってもはやボロボロ。。。。

なので、これでのWin95PC製作はあきらめ、分解してまたいつかヤフオクで同型のものが出展され他と機の修理用にとっておくことにしました。

それから1年もたたないうちに、Thinkpad 560Xが出品されていました。スペックを確認したところ、これもスペック的には385EDに引けをとらないほどの代物。こうなったら、もう即落札してGet!

ちなみに、この560Xのスペックを簡単に述べると、バンドルOSはWin95であるのは当然のこと、CPUはMMX Pentium、2.1GBの内蔵HDD、PCカードスロットはCardBus対応で、しかもUSBポートが付いているという、前述の385EDよりもおいしい機能が搭載!

しかし、FDDとCDROMドライブは、共に外付けになっていて、とくにCDROMドライブは(FDDのように専用インタフェースポートではなく)ATAPIインタフェースカードをPCカードスロットに接続するタイプでした。なお、落札したときの商品には運よく両方とも 付属品として 付いていました!

ただし、リカバリCDはついていなかった。。。。(また、先述のサイトからダウンロードしてこなければ。)

それでも、状態は良く、ひび割れも見た目確認できないほどであった。なので喜び勇んで、Windows95をインストールを実施。(方法は、前述の385EDと同様)

ドライバファイルも、365EDのときにお世話になったサイトから一通りダウンローすることができ、Win95インストール後、ドライバファイルを読み込ませていった。しかし、PCカードドライブのドライバが適用できず、正常に認識できない状態のまま、解決することはできず、結果お蔵入りに。。。。(せっかくCDROMドライブとATAPIインタフェースPCカードがついてきたのに、活用することができなかった)

こんな状況のなか、 ちょうどいいタイミングで 、ヤフオクであらたに、Thinkpad 240が出品されていたので、これまた速攻でゲット!!本事案はここでようやく落ち着くことができました。

こちらも先の2台同様の方法で、Win95をインストールし、先述のドライバダウンロードサイトで適合するドライバファイルをダウンロードして、なんだかんだでモデム以外のすべてのH/Wを利用可能な状態にすることができた。

出品の状態としては、状態も中古でこの年代のノートPCであるにもかかわらず、すごくよく、付属品も CDROMドライブとATAPIインタフェースPCカードがついてきたり、リカバリCDもついてきたり、動作確認目的で、MS-DOS 6.2v(日本語版)インストールFD付とかなり満足できる商品でした。

強いて、不満な点を強いてあげると、CPUが次世代のMobile Celeron、バンドルOSはWindows98であったことぐらいだった。それ以外は、先述のTP560Xとおなじ。しかも、付属品のPCカードおよび外部電源アダプタ不要のCDROMドライブ、出品者が作成してくれたブートFDと製品付属のリカバリCDもあった。

ただし、これを使ってセットアップすると、バンドルOSのWin98になってしまうし、とりあえず使ってみたが、途中で失敗してセットアップできなかった。Win98といえば、WinOSとしては、Win7、XP、に次ぐ名OS(厳密には98SE)であるが、いまのところWin98にすることはどうでもいいので)

以上、無駄に長くなってしまいましたが、次からは、このTP240でのWin95OSでのセットアップ作業手順を記します。

Windows95の復活!!(その3)

前回の続きから、、、

Windows95のインストールは、セットアップウィザードにしたがい、何気なく進めていくだけで、無事完了!

再起動して、いざWin95開眼!

・・・・まぁ、、、とりあえずWin95は立ち上がった。

というのも、Win95の起動音を聞けると思って期待していたのだけど、音が出ない。

もちろん、スピーカ(ではなくヘッドフォン)をつなげているにもかかわらずだ。

デバイスマネージャを開くと、結構な数の不明デバイスが存在していた。なので、この原因は、オンボードのオーディオデバイスのドライバが認識されていないためだと思われます。

このPCに使用しているマザーボードをググってドライバ一式をダウンロードしようと試みたのですが、、、、さすがに製品が廃盤になってから久しく、ドライバが存在してませんでした。(ほかのサイトにもないか、ググり回ったが見つからず9

そこで、各デバイスごとに、それにドライバを見つけてはダウンロードすることに。

しかし、残念ながらオンボードのオーディオデバイスのドライバは見つけることができませんでした。。。

なので、仕方なくヤフオクでWin95のドライバを含んだサウンドカードを落札しようと思いつつ、もうひとつWin95の利用目的として考えていた、SCSIカードを増設して、NEC PC-98のブートディスクをつくろうとも考えていたのですが、こちらのほうは、そもそもSCSI1または2のHDD自体が入手困難であったということで、あえなく断念。

そうなると、タワー型のこのPCが、単にWin95を起動させるだけのためにこれだけ場所をとって(モニタやキーボードとマウスを操作する場所)眠らせておくのは邪魔でしかないと思うようになり(実際に使おうとするのもキーボードとマウスを置く場所を確保するのに大変)、肝心なサウンドカードについても、(安いけど)入手するのがもったいなくなってきました。(むしろめんどくさい!)

実際にこれを使って、久しぶりにWin95でアプリを作成しようとVisual C++などをインストールして作業したところ、MiniATXマザーボードですが、ハイタワー型の筐体であったため、邪魔で仕方なく床においたところ、モニタやキーボード&マウスが机に届かず、筐体の上に奥は目になり、すると操作の姿勢がきつくて長時間作業することができない。

このような状況で本プロジェクトも下火(=モチベーションの低下)になりつつあった頃、ヤフオクでいろいろ物色していると、往年のIBMノートPCでWin95が動く商品がオークションにかかっているのを発掘!

これで利用および保管場所の問題が解消されると、いままで取り掛かってきたタワー型の自作PCでのWin95実現計画を中止して、IBMノートPCでWin95PCを作ろう計画に路線変更することとしました。

しかし、この変更も茨の道を進むことになるとは、少しも想像しておりませんでした。。。。

Windows95の復活!!(その2)

では、早速Windows95のインストールにとりかかります。

必要なものは、製品版パッケージに同梱の「Windows95 With USB Support(OSR2)インストールメディア」と「Windows95起動ディスケット」。

Win95インストールメディア一式
Win95インストールメディア一式

そして、このWin95OSのインストール先となるシステムドライブ。

Win95インストール先HDD
Win95インストール先HDD

使うメディアは、上図のようにCF-IDE変換コネクターに取り付け、さらにこれをターゲットPCのIDEケーブル(今回Win95をインストールするPCが特殊な構造のため、内蔵HDDリムーバルキットを使用)に接続して使用する。

なお、Win95をインストールするシステムディスクには、前回の前提仕様から2GB未満なので、できるだけ小容量のHDDを探したんだけど、やはり今の時代数ギガのHDDなんて化石品。ヤフオクでも動作未確認の癖に5,000円以上もする。

博打で購入するのはリスクが高すぎるし、 生誕半世紀後の復活祭を想定して、それまで動きつづけてくれるような耐久性(というよりも耐衝撃性)を考慮して、HDDではなく、 ちょうどよく持ち合わせていた1GBの CFカードを使用することとした。

コレクションとしてのWin95PCであれば、1GBの容量もあれば容量不足になることは皆無だろうと、CFカードをすべて使うつもりだったのですが、ここでWin95導入で一番の問題点に引っかかりました。

それは、Win95CD-ROMで直接ブートできない!さらには読み込むことすらできないい!!ということです。

今というか、わたしがPCをいじり始めたかなり前からもこんなことはなかったはず!なのに、インストールの最初からつまづくなんて屈辱的!!

とはいうものの、そもそも小生、Win95パソコンなんて、一度も組み立てたことがないのです。この歳でWin95は初体験なのです!(それを思い出しました)

当時の皆さんはどうしていたんだろうと、いろいろググってみたところ、、、

  • Windows95起動ディスケット(FD)でまずはPCをブートする。
  • このFDには、あらかじめCD-ROMドライブのドライバを追加して利用可能にすること。(一応、記載済みであるが、インストールするPCのCD-ROMドライブの接続構成においては、要修正となる)

” Windows95起動ディスケット”のAutoexec.batおよびConfig.sysの中を開くと、前者には”MSCDEX.EXE /D:MSCD001 /K /M:10 /L:R”の一行が、後者には”DEVICE=KMEATAPI.SYS /D:MSCD001 /P:S /O:M”の一行が記載されているとともに、それぞれの実行ファイル( MSCDEX.EXE )およびシステムファイル( KMEATAPI.SYS )も同ディスケット内に存在することを確認できたので、とりあえずこれでよいかと思い、インストール開始!

しかし、、、、なぜか、このPCに実装している光学ドライブは、DVD・CD-Rドライブで、付属のブートFDでは認識されなかった。

なので、ググりながらいろいろとオプションの値を変えてみるが、 どうやっても利用可能にすることができなかった。

そこで、いろいろとWin95インストールについてググりまくると、未来の私と同じ状況を、先人も経験している方が少なからずいたようで、その先人の知恵を拝借して、以下の代替手順でWin95インストールを実施することにした。

まず、(1GBしかない)CFカードを2つのパーティションに分けて、一方をWin95をインストールするシステムドライブとして、もう一方にインストールメディアの内容をまるごとコピーします。

なお、小生は、このパーティション作成作業を、LinuxPC(PCカードスロットを持っているノートPCがこれしかなかったというのが理由)で下記パーティション構成を作成した。

pi@debian:~$ sudo /sbin/fdisk -l
Disk /dev/sdb: 999.1 MiB, 1047674880 bytes, 2046240 sectors
Units: sectors of 1 * 512 = 512 bytes
Sector size (logical/physical): 512 bytes / 512 bytes
I/O size (minimum/optimal): 512 bytes / 512 bytes
Disklabel type: dos
Disk identifier: 0x9f1e6ca8

Device Boot Start End Sectors Size Id Type
/dev/sdb1 * 2048 1050623 1048576 512M 6 FAT16
/dev/sdb2 1050624 2046239 995616 486.1M 6 FAT16
pi@debian:~$

ポイントは、パーティションタイプをFAT(16)にすることと、システムドライブ用のパーティション(sdb1)をブート可能に設定すること。

参考)この作業は、Win95インストールメディアのブートFD内に実装されている”FDISK”(もしくは”PHDISK”コマンド)を使うことにより、(本手順よりも簡単に)パーティションを作成することができると思われる。

このCFカードをLinuxPCから取り出して、Win95にするPCに取り付けた後、電源をONする!

まずは、このCFカードが使えるかどうか、すなわち、(ブート中、”DEL”キーを押して) BIOS画面を表示させて、CFカードが内蔵IDEのドライブと認識できていることを確認する。

認識できていたら、あらためてwindows95 のインストール作業を開始します。

まずは、ターゲットPCのFDDにブートディスクを挿入して、このFDからブートさせます。(もし、このPCに実装しているCDドライブが認識できそうなものであるなら、CD-ROMのほうも、挿入しておくこと)

ブートしてしばらく待つと、(やはり)”CDドライブが利用できない状態のため、「Windows95のセットアップを実行するか?”の確認メッセージが表示されるので、ここで中断するための”N”を入力する。

Win95をインストールするターゲットドライブを確認するため、下記コマンドを実行する。

>fdisk /status

実行結果にて、(ターゲットPCに前述の1GBのCFカードしか実装されていない場合、)ひとつのディスク(ディスクNo.1)の総容量999(Mバイト)が表示され、C:ドライブとD:ドライブが表示されていることを確認する。(さらに、fdiskコマンドを単体で実行すると、選択形式でさらに詳細の情報が表示される。ここでパーティションを作ることも可能)

下記のコマンドを実行して、システムドライブをフォーマット(システム不要の通常フォーマットで)を実施する。(C:ドライブが通常インストールターゲットドライブとなる)

>format c: /v:W95SYSvol

ちなみに、/vオプションは、ボリュームラベルの記述を表す。(なくてもいいです)

Windows95をインストールを開始するには、あらかじめCFカードを2つに分け、ブートパーティションにしなかったほうにコピーしたWin95インストールCD-ROMのファイルの中から、”SETUP.EXE”を実行します。

>D:
>SETUP.EXE

最初にchkdskが走り、ターゲットドライブに以上がないことを確認して終了すると、立て続けに、Windows95セットアップウィザードが開始します。(この進め方については、失敗するようなことはないかとおもうので省略します)

Windows95の復活!!(その1)

現在、2019年。来年は東京オリンピックが控える2020年、誰もが個人でパソコンを持ち、手軽にインターネットに接続し、ゲームやショッピングなど便利で夢のような様々なインターネットコンテンツを楽しむことができるようになった。しかも、個人の情報端末はノートPCから、薄型軽量で手軽に持ち運べ、キーボード不要で指のタッチであらゆる操作ができるスマートフォンとなっている。

この便利でお手軽さに満たされたこの時勢に対して、不便ながらも希望に満ちた未来を夢見た、古き良き時代に起こったパソコン革命とも言えるあの出来事を、ふと思い出した。

それは、世間を大いに賑わせたWindows95の発売!気がつくとあの日から、早4半世紀。当時は、インターネットもままならなかった時代。ちなみに小生はこの時代、大学生でMacにカブれていて(というか、当時、洗練されたGUIデザインのMacOSに比べたら、Win95のGUIなんてバッタもんにしか思えなかった)Windows95にはほとんど触っていませんでした。なので、それほどWindows95にほとんど思い入れはありませんでした。

しかし、ここ最近、Youtubeなどの昔の秋葉原の映像/動画を見て、懐かしさに触発されて、それよりも前の80年代に日本で繁栄したNEC PC-98をいじるようになったので、この流れでこのPC-98をWindows95にするネタを先に思いついたのですが、、、

さすがに、まだPC98についての知識が乏しいので、難易度が高く、困難であろうことが予想されるので、ここは安牌に、使わなくなって捨てる予定となっていた、自作DOS/Vパソコン(タワー型)をWindows95パソコンに仕立ててみては!と方針を修正することに。

そこで、今時分を勝手にWin95四半世紀生誕祭として、自作パソコンでWin95パソコンを復活させることにしました!

まずは、このPCのスペックについて。。。

インターネットで同じことをしている先人達の情報をまとめると、下記のスペックが前提となるようです。

1.CPUのクロック数は、2.2GHz未満のx86系CPU。

2.メモリは、512MBまで。

3.ブート可能なFDDおよびMS-DOSのシステムの入ったブートディスク(ディスケット)が必要。

これは、OSインストールメディアがCD-ROM版であっても同じです。つまり、現在では当たり前のOSインストールCDを使ってのブートインストールはできません。そこでCD-ROM版にも、”セットアップ起動ディスク”なるものが同梱していますので、インストールにはこれを使います。(ちなみに、Win95をインストール済みのものがあれば、インストール中に作成される復旧ディスクでもいいかもしれません)

余談ですが、、、Windows95には、CD-ROM版のほかに、フロッピーディスク(FD)版もありました。(私はなぜかこちらのほうをパッケージ版で持っていました。何に使ったんだろう。。。記憶にない。)このFD版には、FDがなんと30枚近く?(それ以上?)あり、これを繰り返し入れ替えて読み込ませるという、地獄の作業が想像されます。(今回、これを押入れから取り出して、いざ読み込ませてみたら、5・6枚付近で読み込みできないフロッピーが出てきて、インストールが完遂できませんでした)

4.また、このブートディスクにおいては、CD-ROM版の場合、”認識可能な”CD-ROMドライブが必要。(CD-ROM版付属の”セットアップ起動ディスク”にはCD-ROMドライブのためのドライバが同梱済み)

注)ただし、このドライバでは認識しない光学ドライブ(DVDドライブやCD-Rドライブ)があるので、本手順では、CD-ROM版のインストールメディアであっても、CDドライブは使用しません。

5.キーボード&マウスは、(インストールブート時はMS-DOSのため)USBのものだと非対応となります。導入時には両方共PS/2接続のものが必要となります。

6.HDDは、IDEタイプのもの。パーティションサイズはファイルシステムFAT(16)にて最大2GBまで。(だからといって、IDE-HDDのサイズが2GBである必要はありません)

7.AGP拡張スロットに非対応のため、マザーボードに実装されているGPUもしくはPCIスロット用グラフィックボードが必要。

以上を踏まえて、我が家のガラクタの中から該当する自作DOS/Vパソコンが見つかりましたので、このスペックについて以下に記します。

・「CPU」・・・運良く廃棄予定のDOS/V自作PCには、”Intel Pentium Ⅲ 1.0GHz”がマザーボードに載っていたので、上述の前提スペック1に該当するのでこれを使用することにしました。

・「マザーボード」・・・廃棄予定のDOS/V自作PCには、”A-Open MX3S-T”が使われており、特に故障箇所がなかったので、これをこのまま利用。当然、前提仕様1、3、5、6を満たし、製品としても対応OSとしてWindows95も含まれていたので、これを使用することに決定。

・「HDD」・・・ 中古のIDE-HDDは今でも入手可能ではあるが、容量は100GB以上がザラで大きすぎて、まれにジャンクで80GBの代物もあったりするが、まさにジャンクで使えなかったり、使えたとしてもすぐに壊れてしまうものが多い。おそらく、大容量でも前述の前提仕様で、2GBにパーティションを切ってしまえば問題ないこととは思われるが、今後のことを考え(HDDが壊れるよりも飽きてしまうのが早いのかもしれないが)、CFカードを使うことにした。

これだと(品質の良い中古でも)MB単位のものもあり、今でも新品でひと桁GB容量のものも入手できる。実際今回は、ヤフオクで1GBの中古CFカードを入手。

・「メモリ」・・・当該PCには、256MBのメモリモジュール✕2本で最大搭載容量の512MBが実装されていましたが、(マザーボード上の)共有ディスクが1024KBあり、512MBを超える?事になるかもということで、一本抜いて確実な256MBにしました。

・「キーボード&マウス」・・・ジャンクショップでPS/2のものを購入。

・「その他」・・・マザーボードに付属のドライバCDがなかったので、LANポートとサウンドポートが認識できず、PCIスロットに増設。ちなみに、増設したLANカードは、玄人志向の「GbE-PCI2」を使用。

ちなみに、費用ですが、、、、

上述のとおりほとんどが、自宅にあったものなので、追加購入したものといえば、、、

・CFカード(中古1GB)・・・・オークションで、¥600

・CF-IDE変換アダプタ・・・Amazonで、¥719

・PS/2キーボード(中古)・・・・秋葉原のジャンクショップで、¥1,000ぐらい

・PS/2マウス(中古)・・・秋葉原のジャンクショップで、¥500ぐらい

・Windows95インストールメディア(中古)・・・ヤフオクで、¥3,500ぐらい

・サウンドカード(中古)・・・・ヤフオクで、¥1,000ぐらい(見込み)

以上、総額5,000円にも満たない出費で出来上がりました!

ベースのPC自体は今回家にあった廃棄予定PCを使ったので出費は微々たるものでしたが、すべて中古で買いそろえるとなると、アキバにジャンクショップが少なくなってきた今時分、難しいかもしれません。

(部品相性問題や、動作しない故障品をつかまされたり、すぐ壊れてしまうってことなどで、スペックの割りに出費が高くつくかと思われます)