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PC98版MSDOSエミュレータの導入

まず、目的としては、最近購入したNEC PC98UX(Intel 286 CPU)のクロスプラットホーム環境として利用可能な状態で導入することです。

今回のために選定したエミュレータは、”T98”です。最新版として、”T98-NEXT”もありますが、こちらは、PC-9821(Intel386)用のエミュレータとのことだったので、これではなく、あえて開発も終了した”T98”を選びました。(もちろんこちらが今回の要件にあった”PC-9801”用エミュレータだと思われたからです。)

これをWindows端末に ダウンロードさせていただきました。インストールは、インストーラをWクリックして完了!というわけではなく、ほぼほぼ手動となります。

なお、動作させることになるWindows端末のスペックとしては、
・i386系32BitWindows →WindowsXP Prof.(32bit) +SP3
・PentiumII300MHz以上 →PentiumM(1.3GHz)
・Memory32MB以上   →1GB
・DirectX5
・3モードフロッピーディスクドライブ(1.25MBのディスケットが使用可能)

ほかに必要なものとして、NEC版MS-DOSのインストールメディア(マスターディスケットをコピーしたバックアップ用メディアを作成のこと。こちらを本手順では使用します。)

その手順を以下に記します。

1.T98のオフィシャルサイトからダウンロードした圧縮ファイル(t98_027.lzh)を任意の場所に解凍します。

2.解凍したフォルダの中から、”T98.EXE”ファイルを見つけ、そのままWクリックして起動させます。
これは、手順的には、実行した端末の環境がエミュレータにあっているかをチェックするためとのこと。
適合していれば、98実機を電源ONした時のように、搭載メモリチェックのカウント表示[MEMORY 640KB + 1024KB]がされたのち、画面に何も表示されず「ピー」と音が鳴ります。

” 「ピー」と音が鳴る ”というか、鳴り続けてとまらないので、[ALT]+[F4]を押して停止させることを実行する前に覚えておきましょ

※また、(この音を鳴らすせい?か、)サウンドカードが利用可能な端末でないとNGとなります。NGとなった場合は、T98.exeファイルのあるフォルダ内にログファイル(LOG.TXT)が生成されているので、そのファイル内容を確認するとよいでしょう。(”WNASPI32.DLLがありません”が出力されているけど、現段階では無視します)

3.前手順2.のチェック結果がOKであれば、今後作業のしやすい任意のフォルダに、エミュレータ実行に必要なファイル”T98.EXE”および” T98.INI”をコピーし、さらにそのサブフォルダとして”BMP”と”RSC”を作成します。

補足)別途、本手順に必要なフリーのツールプログラム”dispell”や”RUNT98 ”をそれぞれのサイトからダウンロードし、同端末にインストールする。(これらは、T98のフォルダ配下に置いておくとよい?)

4.(ここからはいったん、T98から離れて、)エミュレータにインストールするMS-DOSのインストールイメージを作成していきます。
MS-DOSのインストールファイルを手元に用意し、これらのバックアップメディアを作成します。(MS-DOS3.3Dだと、フロッピー3枚となります。バックアップメディアの作成は、PC-98のDOSメニューから作成すればよいです)

5.バックアップメディアは、ライトプロテクトをはずしておきます。この状態で、Windows端末にて、ダウンロードして入手した”DISPELL”を使用して、バックアップメディアから ”EPSONチェック ”をはずします。(バックアップメディアに直接変更を加えるので、MS-DOSのマスターインストールメディアは使わないように)

> C:\T98Emu\DISPELL\DISPELL.EXE /a A:
※上記の例だと、”A:”がMS-DOSのインストールメディアを入れるFDDのドライブレターをあらわします。

補足)”EPSONチェック”とは、当時NECがエプソンの98互換機に対抗して、NEC純正品を使わせないようにした対抗措置のようです。

参考)ちなみに、 EPSONチェック がかかっているメディアは1枚だけのようでした。

6.このEPSONチェックが外れたMS-DOSインストールメディア(=バックアップメディア)をT98エミュレータで利用可能にするため、フロッピーディスクイメージを作成します。作成するに当たっては、RUNT98.exeを使用します。

※このとき、バックアップメディアすべてに対してライトプロテクトを有効にしておくこと。

7. RUNT98.exe を起動後、下図の画面中(親ウインドウにて)「FDD1]をクリックして表示される、「新規ディスクイメージ作成」ウィンドウにて、MSDOSインストールメディアのバックアップディスケットを、Windows端末のフロッピーディスクドライブに挿入後、ファイル名(下図と異なるが、あとあとの手順から、”半角8文字.拡張子”としておいたほうがよい)、ドライブ(Windows端末におけるFDDドライブ)、容量=”1232”を選択の上、「抽出」ボタンをクリックして、イメージファイルを作成する。

8.作成が完了したら、T98フォルダ内に(ファイル名で指定した)イメージファイルが枚数分生成されていることを確認する。

注)ここで、T98フォルダ内でなく別のフォルダに出力されていたら、後々の手順を考えて、T98フォルダへ移動させておくことを推奨。

9.RUNT98の画面にて、「FDD1]の欄に前手順で作成した(T98フォルダ内の)MSDOSインストールディスク#1のイメージファイル名を入力(T98フォルダ内であれば、パスの記述は不要)し、さらに「HDD1」には[新規HDD作成]アイコンをクリックして表示されるダイアログボックスにて、任意のファイル名とHDD容量(開発ターゲットの98の容量にあわせる)を入力の上、「作成」をクリックする。

9.下図のように、「FDD1」および「HDD1」の欄に入力後、「起動」をクリックする。

10.エミュレータが起動して、MSDOSのインストール画面が表示されるので、手順に従い操作する。(MSDOSのインストール手順は、「MS-DOS 3.3Dのインストール」を参照)

11.2枚目のメディアが要求されたら、「F11」キーを入力する。すると画面下端にコマンドメニューが表示されるので、「F9」キー(=TCNS)を押す。

12.”TCNS(=T98標準コンソール)”という小さなコンソール画面が表示されるので、その中で書きコマンドを実行する。

>DISK FDD0  <2枚目のイメージファイル名>

補足)”DISK”だけを実行すると、現在マウント中のディスクイメージが一覧表示される。(また、”MAN”コマンドで、使用可能コマンド一覧が表示される)

13.前手順のコンソール画面から、”EXIT”コマンドを実行してクローズ後、インストール画面に戻り、任意のキーを押して、2枚目のイメージファイルを読み込ませる。

14.すべてのインストールメディアを読み込ませて、インストール手順が終了したら、再度CLIコンソール画面を開き、今度はイメージファイル名を未入力の状態にして(>DISK FDD0 )実行して、メディアを未挿入状態にして、エミュレータを起動させる。

15.MS-DOSのメニュー画面が表示され、MS-DOSの操作が一通りできることを確認する。

以上


MS-DOS 3.3Dのインストール

じゃあ、早速はじめようか!!って、プログラム開発環境のためのツールプログラムやコンパイラを、今回購入した98UXにインストールしようと思ったら、、、、
インストールに失敗!

「何でだろう!?」と、わずかな知っているかぎりのコマンド(CHKDSK)で調べてみたら、なんと空き容量が1MB程度しかないとのこと。。。

本来、スペック上”20MBも”あるはずのHDDが、なぜか5MBしか認識していない。中身がすり返られているのかと筐体をあけて確認したところ、”D3126”の型番が記載されているので、そうではないらしい。。。(ここにもディップスイッチがあったのでこの設定かもと疑うも、どのような設定内容かの資料が見当たらない。

「早く言ってよ~!」(某名刺管理サービスのCM口調で)とつぶやけど、そこは(ここまで動作できているので)仕方ないか・・・と出品者への怒りはなく、あきらめて動作確認用としてインストールされていたMS-DOS5.0Aを潰して、オークションであらかじめ購入しておいた、MS-DOS3.3Dを入れなおすことにした。

(本来の目的は、「ネットワーククライアントOSを作る!」の予定)

インストールはいたって簡単で、MS-DOS3.3Dの1枚目のフロッピーディスクを入れて、起動させるだけ。

DSC_0074

最初に既存のパーティションを削除して、クリーンインストールする。

DSC_0075
DSC_0077

表示に従い、2枚目・3枚目のフロッピーをいれてゆき、インストール処理が完了。

DSC_0079
DSC_0081

再起動させてシステムが立ち上がるかを確認。。。問題なし!

再度、空き容量を確認したところ、それでも、2MB未満とフロッピー2枚分にも満たなかった。
これでも 実機で開発するのは困難だ。。。

またオークションで希少で価格の安くない内蔵HDDを落札するか・・・。でも、これだといつかは壊れて交換もできなくなってしまう。このことを想定して、当初から最終的にはCF化(SCSIボードを増設して、SCSItoIDE変換アダプタをかませて)しようと目論んでいたのだが、この段階で追加投資して増設するのも気が引ける。。。。

やはり、更なる出費を覚悟して増設するか。。。と思うも、その前にちょっと試しておきたいが思いついたので、それ先に試してみようと思った。

当初から、開発するに当たっては、コーディングは使い慣れているWin端末(Windows7 32bit)でおこない、これをフロッピーで実機に移して、コンパイルする作業イメージで考えていた。
(98を設置している場所が高い位置にあり、立ち作業でコーディングするのはさすがに無理だし、部屋のレイアウト変更も考えたがこれに手を出したら、別な方向で余計なコストがかかり本末転倒になるので)

だったら、クロスプラットホーム開発でできないかと、あれこれ調べたところ、PC98版MSDOSエミュレータなるものがあることを知り、これを前述のWin端末に実装して、コーディングからコンパイル・デバッグまでできるようになり、実機では実行するのみと、作業効率もよくなるのでは!!ということに考えが至った。

なので、次の話題としては、このエミュレータを使った開発環境の構築について記述していこうと思います。

往年の名機PC98のオーナーになりました!

平成最後のこの時期に、かねてから念願の、NEC PC9801シリーズ(以下、98”キューハチ”)のパソコンを、某オークションでなんと、1.5万円程で購入しました!

入手した98UX!

”98”といえば・・・(このページをご覧になっている方なら言わずもがな)、

昭和57年(1982年)に、NECから日本純正のビジネス向けパソコンとして発売!

この時期から日本は、第一次パソコンブーム(”ホビーパソコンブーム”とも呼ばれる)が訪れ、私もこのご時勢にあやかり、(当時のパソコンメーカ御三家のひとつ)シャープのX1-Fを小学生ながら持ってました。(もちろん、お年玉貯金+親の援助で購入)

ちなみに、このパソコンは民生向け(ホビーユーズ)で8ビットパソコンでした。NECは、これに対抗するパソコン製品として”88”(PC-8801シリーズ。通称、”ハチハチ”)を発売するなかでのビジネス用としての98は16ビットでした。

しかし、結局のところ、これらのパソコンは、ゲーム目的(これを作るヘビーユーザと実行して遊ぶだけの”LOAD&RUNer”を含めて)で使用されることが大半で、後に訪れる”ファミコン”ブームによって、終息させられてしまいました。

それから、しばらく月日が経ち、私が大学生ごろには、国内パソコンメーカも淘汰され、88のゲームソフトウェアを引き継いだ98は、もはや日本市場のほとんどを占めるくらいと言われるほど広まっており(第二次パソコンブーム)、入学した工学系の大学の実習場にあったパソコンも”98”で、これが私と98が出会うきっかけとなりました。(この98は、たしか”BX”というモデルだったか)

それからは、大学の講義・実習や研究だけに留まらず、自習のために学生ローンをしてまでノート型98(98Note NS/R)を購入しては、日夜いろいろ弄繰り回していたことを覚えています。(C言語による制御プログラミングを少々、大半は性能アップに励んでました)

ちなみに、この第二次パソコンブームは、パソコンを構成するH/Wが世界共通の公開仕様となって安価になったDOS/V機パソコンの登場と、95年にあの”Windows95″が登場することによって、13年間の長い繁栄に幕を下ろすことに。。。。

そういった古きよき頃の思いが、平成時代の終わりに急に強くなり、たまたま検索して見つかったオークションサイトで出品されていた”PC-9801UX”を見つけるや、速攻で落札しました。

ちなみに、飛びついた理由は、、、

以前から購入するなら、初代98で8086アセンブラの勉強をするか、98の最後となった”BX4”を買って今こそ業界標準OSとなったWindowsの原点ともいえるWindows95を再現させるかのいずれかと迷っていたのですが、しかしすでに思いとしては、両方手に入れようというところにまで熱くなってしまってました。

しかし、2台を置くほど部屋にスペースはなく(なんせ、プラモ製作で使用していた塗装ブースや塗料・工具もあるので)、後者は仮想化で何とかしよう考え、前者を入手しようと思っていたのですが、当時できなかったゲームもやりたいなあって思うようになり(秋葉原の@BEEPというお店に影響されて)、検索して見つけた98は、V30という8086互換CPUとi286の2つのCPUを持ち、なおかつ出品者が486にオーバードライブさせているし、当時の旧規格のHDD(SASI)搭載で、メモリも増設していて、1.5万円とコスパよすぎる!という至れり尽くせりのスペックで、両方のやりたいことをこの1台でかなえられる!ということで、落札ボタンをポチりました。。。

とはいえ、本体だけだったので、落札後、モニターとキーボード(ほかにも、マウス、LANボード、MSDOS)を立て続けに落札。もう、歯止めは利かず、調子に乗ってポチりまくり!! この結果、総額5万円程度の出費となってしまいました。(とはいえ、優良な98専門の中古ショップで購入すれば本体でこれくらいの値段です)

本体とキーボードが到着したら、自宅にある一番古い液晶モニタ(こちらもオークションでかなり前に購入)に早速つなげて、電源ON!

画面に表示されません!!(なぜだ!???)

そういや、、、この手の98は、ディップスイッチによる設定が必要だった!!

本体正面下のパネルを空けると

この設定方法をいろいろググッて、設定しなおしてみたところ・・・・

無事映りました!(懐かしい、角ばったキャラクタ文字が。。。しかも商品がよくて、内蔵HDDには、MS-DOS5がインストールされていた)

出品者に感謝!!

このディップスイッチの設定方法を含め、私の98に関する詳細(技術情報)については、今後別のページにまとめていこうと思います。

乞うご期待!

復活!自作パソコンのススメ-つづき(2)

前回、一通り必要なパーツを買い揃えたので、ここからは各パーツの組み立てと、WindowsOSのインストールとHyper-Vインストールの手順を簡単に説明します。

1.組み立てPCで最初にやっておくべきことは、PCケースに電源が取り付けられていない場合や、ハイパワー電源に交換する場合は、取り付けておきましょう。また、M/BやHDDのPCケースへの固定(ねじ止め)の際に邪魔になるので、両側のケースカバーをあらかじめ外しておくのがいいでしょう。

電源
電源

2.そして、新品のケースの場合は、M/Bを固定する金具が取り付けられていないと思われるので、取り付けたいM/Bをいったん梱包から取り出すか、マニュアルを見ながら、固定用ねじ穴の位置を確認のうえ、M/B固定金具を取り付ける。(M/Bの大きさと取り付け穴の位置は規格化されているため、寸法を測っての位置決めは不要で、単に最寄の穴に取り付ければよい。)

ただし、この時点では、M/Bを固定しないこと。固定する前にしないといけない作業があります。

3.次に開梱してとりだしたM/Bに、CPUを取り付けます。CPUとソケットには向きがあります(あわせるための印がそれぞれに付いてます)ので、マニュアルを見ながら正しい向きで、まずはCPUを取り付けてください。

4.取り付けたCPUにCPUクーラー(ヒートシンク)を取り付けます。今回私が購入したM/Bには、CPUに付属のCPUクーラーを固定するのに必要な金具と、不要な金具が取り付けられていますので、CPUおよびM/Bのマニュアルを見て、必要な金具を使ってCPUクーラーに取り付けられている4箇所のねじがM/Bのねじ穴に合うように、慎重にCPUの上面に乗せてねじ止めさせます。(接合面に対しての多少の水平移動や回転はグリスを延ばすことになるのでいいですが、くれぐれも傾かせることはないように。)

Ph1組立完成(内部)
Ph1組立完成(内部)

※CPUクーラーにも形状的な向きがあります。側面の4辺のうち一辺に”AMD”のロゴが付いた凸部があり、これがメモリスロット側にあると、メモリが挿せない状況となるのと、ファンの電源ケーブルとM/Bのファン用電源コネクタが届くような向きでCPUクーラーの向きを合わせること。

CPU取付
CPU取付

※また、ここで注意すべきは、ねじ止めの仕方で、4箇所を対角線の順に少しずつローテーションさせながらねじ止めしていくようにすること。こうすることでCPUに危険な偏った負荷を与えずにCPUクーラーを水平に密着させることができます。

補足)通常なら、ここでCPUの上面にシリコングリスを(左官屋さんのように)気泡が入り込まないように均一にヘラで伸ばしておく必要がありますが、付属のCPUクーラーのCPU接触面にはグリスがきれいに塗布されているので必要ないです。

5.マニュアルを見ながら、CPUタイプ(PinnacleRidge|SummitRidge|RavenRidge)と用意したメモリーのタイプ(デュアル|シングル  チャネル)に応じて、M/Bのメモリスロット位置に取り付けます。(このとき、M/Bを梱包していた通電防止用の袋をM/B基板の下に敷いておくこと。できない場合は、M/Bを先にPCケースに固定してしまってもよい。ただしこの場合もメモリを挿してから配線すること)

参考)私が購入したメモリはデュアルチャネルタイプのメモリで、CPUは”RavenRidge”(”Ryzen”でウィキってください)なので、B450Pro4のM/Bにおいては、A2とB2のスロットに挿すことになります。

※メモリモジュールにも向きがあります。端子側に切り込みが中央位置よりも少しズレた位置にあります。この切込みがメモリスロット内の凸に合うような向きで挿入します。また挿入する際は、通常、両端の取外し用レバーを開いた状態にして、通常は傾かないように水平な状態になるよう注意して差し込むが、このM/Bのメモリスロットの一方にしか取外用レバーが付いてないので、先にレバーがないほうにあわせてあまり水平を意識する必要なく押し込めばよい。

6.PCケースに、まずI/Oパネルのベゼルをケース内側から押し込んで取り付け、このベゼルの各種穴に各ポートが当てはまるようにしながら、M/Bをねじ止めして固定します。(そういえば、ねじはM/Bに付いてなかったような。。。)

※このときも、一箇所ずつねじ止めするのではなく、すべての箇所にねじを少しずつ対角線順で留めていくこと。(ねじ穴の位置は規格化されていても、若干の誤差はあるので、すべてのねじ穴に通るよう位置調整しながら固定していくこと)

7.各種配線を行います。マニュアルを見ながら、電源からの配線をM/BやHDDにつなげ、PCケースの各種LEDやスイッチ、USBやスピーカ&Audioケーブルを所定のポート(端子)に、SATA-HDDのデータ線をM/BのSATAポートに接続させます。

8.以上の状態で、電源ケーブル、モニタ、キーボードならびにマウスを接続して、電源を投入し、導通ならびに取り付けたパーツが正しく認識できているかをBIOS(UEFI)画面で確認する。(M/Bにモニタ出力がない場合は、手順10のうちグラフィックボードのみを取り付けてモニタにつなげること)

9.電源をOFF(電源の主電源スイッチもOFFの状態に)にした後、各端子に接続した配線は、CPUファンやPCケースのファンに巻き込まれないよう束ねて整理しておくこと。

10.(必要に応じて)グラフィックボードやHBAカードなどの拡張カードをPCIeスロットに挿入し、また(必要に応じて)内蔵HDDをPCケースのHDDベイの固定金具を使ってPCケースにねじ止めして固定します。

内蔵HDDの固定
内蔵HDDの固定

11.一通り購入したすべてのPCパーツを取り付け、電源やデータ線などの接続漏れ・抜けがないことを確認して、再度電源を投入して、手順9.以降で取り付けたパーツが正しく認識できているかをBIOS(UEFI)画面で確認する。

12.以上ですべてのパーツが取り付けられ接続が確認されたら、電源OFFのうえ、いったんケーブル、モニタ、キーボードならびにマウスを抜きとり、PCケースの両側のカバーをねじ止めして、PCを設置場所に置き、再度電源ケーブル、モニタ、キーボードならびにマウスを接続しなおして、電源を投入し、前手順11で確認した状態であることを再度確認する。

組立完成Ph1
組立完成Ph1

ここで、PCの組立作業は完了!

今回は、初期導入費用を抑えての構築作業(Phase1)なので、スカスカ!

今後は、消費電力や発熱をみながら、HDDを増設して、RAID構成を組み、メモリの増設、CPUをアップグレードして、最終形態にさせようと思う。

13.OS(ここでは、Windows Server 2012 R2)のインストーラメディアを挿入して、当該メディアドライブからブートさせる。

14.OSのインストールウィザードが開始するので、手順に従いOSのインストールを実施する。(オンボードのSATAポートに接続したシステムドライブ用HDDにインストールするためとくに追加手順はないが、HBAに接続したHDDにインストールする場合はそのドライバを読み込ませないと、インストール先のHDDが指定できない場合があるので注意)

15.OSのインストールが終了して、OSが通常状態で立ち上がったら、ローカルAdminユーザでログインして、ホスト名やLAN接続、OSライセンスのアクティベーション、M/Bに付属のドライバCD内のドライバやツールのインストール、WindowsUpdateなど、OSの初期設定作業を実施する。

※本手順は、WindowsのHyper-V機能を導入することを前提としている。このため、前手順にてホスト名の変更やWindowsUpdateを実施でシステムの再起動が発生するので、これにあわせて再起動ないしシャットダウンを行い、BIOS(UEFI)画面で、Hyper-V導入に必要な下記CPU設定を施すこと。

要変更箇所:「Advanced」>「CPU Configuration」>「SVM Mode」=”Enabled”

※また、この設定は、マニュアルでは、デフォルトで”Enable”との記載があったが、実際は”Disabled”になっており、BIOSのファームウェアアップデートを実施するたびに変更してやる必要がある。

16.再度OSを立ち上げ、ローカルAdminユーザでログイン後、「役割と機能の追加」を実施して、「Hyper-V」をインストールする。

※このときまでに、前手順15に示す、BIOSの設定変更を実施していないと、インストールに失敗する。

以上の手順で、自作PCの組み立て~Hyper-Vのインストールが完了し、無事Hyper-Vによる仮想化基盤の実現に成功しました!

この結果、現時点では情報がなかった、AMD Ryzen CPUでのHyper-V仮想化基盤の自作について実績ができました。もし、ご興味があればお試しあれ!

 

復活!自作パソコンのススメ-つづき(1)

前回(実際に計画したのは昨年末)、詳細の見積もりまでを出して、購入は3月頃と心に決め、それまでは各種資格試験の参考書などでひととおり試験範囲の内容を確認したり、今回の仮想化基盤の検証環境が必要でない資格試験は先に受験しておこうと思っていたのだが、、、、

物欲という煩悩が、新年でお年玉気分の浮かれた心に拍車をかけ、Amazonでポチってしまいました!!

(”ポチる”って言葉、深いね。。。)

しかも、年始早々すぐ来ちゃった!

もう、こうなると「やめられない・とまらない」で、早速パソコン自作作業に着手することに。。。

ちなみに、今回のパソコン自作で使用したパーツ一覧を以下にまとめます。

<元から有ったモノ>

●PCケース:急ファイルサーバのデータ移行で以降先として予定していた自作PC機で使用していた、ATXサイズのマザーボード搭載可能の5インチドライブベイ×8スロットをもつタワー型PCケース。

●ATX電源:合計420W出力。ただし、まだSATA-HDDなどが普及する前の製品なので、それ用の電源コネクタの追加購入が必要。また、いまどきのM/Bの電源コネクタのピン数よりも少ないコネクタ(6ピンのところ4ピンだったり、24ピンが20ピンだったり)で、変換アダプターか自作が必要かと思ってましたが、マザーボードのマニュアルにピンが少ない場合の接続方法が記載されており、アダプタなしでそのまま接続可能とのこと。(しかし、すでに変換ケーブル(¥572@ツクモ)を買ってしまった)

●HDD:SATA-500GB ×1基。WD社製のBlue版(廉価品)。あくまで初期導入時の暫定利用。検証目的の仮想マシンなので、それほどHDDは必要ないが、スナップショットを取ることになるかと思うので、将来的には(80GB×10台=)1TB程度は必要。しかも、冗長化構成は必要と考えると、RAID1+0、RAID0+ホットスペア、RAID5+ホットスペア、もしくはRAID6のいずれかで、RAID6やホットスペア機能は、その機能を有するHBA拡張ボードの購入が必要。ちなみに、今回購入したM/Bの内蔵HDDコントローラには、RAID0、1、1+0も可能なRAID機能も含まれていた!)

<購入したモノ>

●CPU:AMD Ryzen5 2400G ¥18,446(税込)@Amazon

CPUクーラー付きのもので、ヒートシンクとCPU接触面にはあらかじめシリコングリースが塗布されていました。よって、シリコングリースはなくてもよいと思われるが、すでに買ってしまっていたのでCPU側の面にも塗布した。

●シリコングリース:¥363@ヨドバシAKB

オウルテック製の注射器型1.5gのもので、熱伝導率3.8W/mKとのこと。今回選定したCPUがどのくらいの発熱量なのか知らないので、単に値段重視でチョイス。ちなみに、銀やダイヤモンド入りとかでピンキリ(¥1,000以上も)あると無駄に悩んでしまう。。。また、ヘラ付きのものもあるが、固めのプラバン片(今回は、CPUのパッケージに使用されてた透明のプラスチックを使用)で十分代用可能だと思います。

●マザーボード(以下、M/B):ASRock B450 Pro4(ATサイズ)¥9,979@Amazon

PCケースがフルタワー型なので、拡張性のあるATXサイズのもので、今回のCPUと相性がよく、安くて評判がよさそうなものでチョイス。(メモリスロットは4スロットあるので、初期導入分のメモリ2枚にそのまま増量することが可能。また、PCIeも6レーンあり、RAIDコントローラの増設も可能。(グラフィックボードは、GPUがCPUやM/Bに内蔵されているので不要)

●4ピン→SATA-HDD電源コネクタ変換アダプタ:ヨドバシで¥350程度のもの。

●メモリ:Crucial製 デスクトップPC用(288pin)メモリ PC4-19200(DDR4-2400) 4GB W4U2400CM-4G ×2枚1セット ¥8,550@Amazon

Amazonサイトにて、CPUのセット商品となっていたもの。AMDはやはり、メモリなんかの相性も必要みたいなので、それが保障されているようなので迷わず選択。(以前から、そういう声はIntel製品でもあったが、相性で失敗することは、経験上なかった)

●システムディスク:Crucial SSD 120GB BX500 内蔵2.5インチ 7mm (FFPパッケージ) CT120BX500SSD1Z ¥ 3,412@Amazon

SSDもホンと安くなった!安いと製品の品質に不安があるが、メモリと同じメーカでここ最近よく見かけるメーカだったのでチョイス!

●リムーバルHDDマウントキット:OWL-IE5C ¥2,290@ヨドバシAKB

オウルテック製で、2.5インチと3.5インチHDDの両方を1基ずつ装着可能(2台同時利用可能)のお得品!(ファンがないのがちょっと心配かも)

合計¥43,390

以上、初期導入フェーズ(Phase1)、すなわち暫定的に使用することを目的とした構成です。

 

復活!自作パソコンのススメ-はじめに

パソコンの自作といえば、、、、最後に行ったのが、今から10年くらい前に、自宅のファイルサーバを移行するために作ったファイルサーバの自作PCだったと思う。。。。ファイルサーバなので、低スペック(CPUはPentumⅢ)でディスクが複数あればよく、今までの自作PCや中古品の部品を寄せ集めで作ったものでした。(RAIDコントローラやハイタワーのシャーシは購入することになりましたが)

それからは、もっぱらコスパのよい中古PCを購入するようになって、あんな時間とお金を浪費する行為なんて馬鹿馬鹿しいと思って、全然やってなかった。

(たまたま自分が購入した中古PCに、ハズレがほとんどなかったのがよかったのでしょう。また、巷では自作PCがゲーム用を目的としたとんでもないお化けスペックで競い合っていたのも馬鹿馬鹿しくて付いて行けなかった。)

ところが、ここにきて、平成の時代も終わりを迎え、定年への道のりも折り返し地点を過ぎた時期、今の職場で将来的なことを考えると、その後の人生に不安しかなく、時すでに遅しかも知れないが、改めて技術者に戻ろうと決心し、IT業界の新しい製品・機能・技術を勉強しようと、再構築が容易な仮想化基盤による検証環境が欲しくなり、格安で簡単に構築できる仮想化基盤を実現させるPCの購入計画を立てることにしました。

要件としては、

  1. 中古PC・サーバか、無理に冒険しない既知の相性が認められた部品構成での自作PCのいずれかとする。
  2. 初期導入費用は5万円以内で最低限の検証環境が実現できること。
  3. 最低限の検証環境とは、5・6台ほどの仮想マシンが作成でき、このうち3台ぐらいを同時起動可能なスペックとする。
  4. 最終的には前項3のスペックの倍近くまで実現できるまでの拡張性があること。
  5. 検証に使用する仮想マシンは、Windows 2013 Server ×2+Windows10×2+Linux(CentOS7)×1ないし2の構成とする。

とした。

これから、具体的に必要なH/Wスペックをざっくり考えると、、、

まずはCPUは、基盤処理分:1+同時起動の仮想マシンの台数:3=4コアとハイパースレッディング有の4コア8スレッドのCPUとする。

次にMEMは、基盤機能用に1GB+仮想マシンのOSが稼動に十分なMEM容量1GB×同時稼動の仮想マシン台数:3=4GB以上

HDDは、当面使用するに当たって必要な仮想マシンの作成台数が5~6台で、1仮想マシンのOS稼動に必要なシステムディスク容量が80GB、さらに仮想化基盤用の容量も80GBとすると、計480~560GB(仮想マシンのスナップショットを取ることを考えると厳しいかも)

以上から、該当するスペックのPCを探してみると、、、、

中古PC&サーバ市場だと、4コア8スレッドとなるとCore i7の中古PCか、同等のXeonの中古サーバとなる。さらに拡張性を加えると、中古PCはCPUの拡張性が難しい。また、5万円以内でとなると中古サーバも難しく、ラックマウントタイプなどの筐体のタイプや大きさを今の部屋のスペースから考えると選択するには躊躇してしまう。(Dellのラックマウントサーバが捨てられずに残っているし)

一方、自作PCとすると、拡張性と金額からもCorei7は難しく(オークションサイトでも現時点では困難であった)、Xeonプロセッサであればなおのこと。

諦めかけて、興味本位で今時分の自作PCのトレンドを調べていたら、IntelではなくAMDのRyzen CPUを発見!この製品ラインナップはまさにこの計画実現にうってつけ!(AMDはいままで、M/Bをはじめintelアーキテクチャで使えてたパーツが使えないといった問題やソフトウェアでもうごかないものがあるとかの悪いうわさもあったので、あえて手をつけないでいた。)

4コア8スレッド~8コア16スレッドまでのラインナップ(ThreadRipper除く)で、対応するチップセットが共通(=同一M/B)していた。

あとは、価格を調べて、予算に見合うお手ごろなRyzen CPUを探すと、、、、Ryzen5 2400Gが有力候補に。

(ちなみに興味をそそった、最上位のThreadRipperは、32コアとすごいがソケットタイプも違うので別物)

以上で大まかなH/Wスペックが決まったので、この環境で稼動可能な仮想化基盤ミドルウェアを選定してみると、

現在仕事でも使用しているVMware で無償の「VMware hypervisor」だと、メーカサイトにある適合H/W検索ページで、AMD Ryzen CPUは対象に入っていなかった。

LinuxOS上のXenも一瞬考えたが、一度も触ったことも導入したこともなく、すぐに利用可能にするのは困難だろうと判断して却下。

最後に残るのは、Windows OSのHyper-Vだが、こちらも直接触ったことはないがIT業界の展示会で見たりちょっと触ったりしたことはあった。また、Hyper-V自体、勉強目的のひとつでもあるMS資格取得に含まれるので、これを機に勉強しようと考え、Windows OSであればAMD CPUの構成でも問題なく動くだろうから、Hyper-Vを採用することに。

とはいえ、念のためAMD CPUプラットホームでのWindows OSの動作確認情報のページで探して調べてみると、Windows 2012 R2 ServerとそのHyper-V機能、および仮想マシンで使用するWindows 10での対応の有無を確認したところ、Ryzen CPUはいずれも有とのことでウラが取れた。(Win10の場合、1703以降であれば、Ryzenの2xxxシリーズに対応とのこと)

ちなみに、WindowsOSは、MSDNサブスクリプションの特典ライセンスを使用することとする。(仮想マシンの台数から、DataCenter エディションが必要であり、個人での購入は金額的に無理)

以上で主要なベースパーツ(CPU+M/B)が決まったので、Amazonサイトを使って、稼動に必要なパーツ(MEM、HDD,CPUファン)で相性や評判がよいものをチョイスして見積もってみたら。。。(以下、当時の金額)

CPU: AMD Ryzen5 2400X +純正CPUファン付=¥18,446

M/B:ASRock B450 Pro4=¥9,979

MEM:Crucial W4U2400CM-4G(2枚組。計8GB)=¥ 8,550

システムディスク:Crucial SSD 120GB BX500=¥ 3,412

合計=¥40,387

仮想化基盤となるWindowsOSをインストールするシステムディスクにSSDを選んでもこの金額!

ちなみに、仮想マシン領域用ディスク1TBを新規購入(¥6,000程度)しても予算内ちょうどで収まった。

(今回は、500GBの空きHDDが余っていたので、これを使用することにした。あと、いちからPCを自作すると、PCケースや電源も必要であり、さらにはグラフィックボードなどの拡張カードやコネクタやケーブル類などなんだかんだで細かい出費がかさむので、初心者の方はご注意を!)

年末は、予想外の出費が発生したので、購入は消費税増税前(ほんとにするの?)の3月頃を予定。

GPSモジュールについて

ラズパイを用いた自作GPS端末を製作するにあたり、購入したGPSモジュールについて、紹介していこうと思う。

購入したのは以下の2つ。

(1)GPS受信機キット[AE-GYSFDMAXB](1PPS出力付き「みちびき」3機受信対応)・・・¥2,100。秋月電子通商にて購入。

<主なスペック>

  • 受信(トラッキング)感度:-164dBm
  • 測位確度(緯経度の水平位置):2m(-135dBm時)
  • 電源電圧:DC5V(電源電流:40mA)
  • 入出力信号レベル:3.3V(CMOSレベル)
  • 出力データ更新レート:毎秒1回(デフォルト。毎秒1~10回出力可)
  • サイズ:30x30x13.5 mm(電池ボックス実装時)
  • 重量:11g(バックアップ電池装着時)

(2)ADAFRUIT GPSモジュール[ID:746]・・・¥2,649。Amazonで購入。

<主なスペック>

  • ウォーム/コールドスタート 34秒
  • 受信(トラッキング)感度: -165dBm
  • 更新レート 最大10Hz
  • 電源電圧 3.0〜5.5VDC (最大電流 20mA)
  • 寸法:25.5x35x6.5(うち、アンテナ部:15x15x4)[mm]
  • 重量 8.5g

当初は、(1)で進める予定であったが、GPS端末用に用意したケースに固定して、バッテリやラズパイなどの必要なパーツを稼動可能な状態で、とりあえずケースに押し込み、公園に行って、ラズパイのシリアルポートからのデータをシリアルコンソールプログラム(cu)で画面に出力させてみたところ、いつまでたってもGPSから正しくデータを受信することができなかった!(30分程度放置したり、向きを変えたりするものの、自宅内で動作させたときと同様な出力状況であった)

当時、原因として、GPSモジュールに対して、半田付けやケースに固定する際に物理的に無理をさせてしまったのが原因で壊れてしまったのでは?と思い、

後日、あらたに(2)のGPSモジュールを購入して、今度はノートパソコン(Debian)に前回とほぼ同様の構成で接続して動作確認してみたところ、正しく測位されたNMEAデータが出力された。

寸法も(2)のモジュールのほうが、長方形型で寸法形状的にレイアウトしやすいことから、(2)を採用することにした。

あらためてこの(2)のモジュールを、新たに別のケースを用意。設置方法はモジュール(1)のときと同様、ケースにGPSセンサ部の四角い形状に合わせて穴を開け、ケースの内側からその窓穴からGPSセンサが空を覗けるように固定した。

下図は、(1)使用時の固定方法

側面図

上面図

この状態で、改めて動作確認をしたところ、最初はGPSデータが受信できず、20~30分ほどケースの向き(GPSセンサーの向き)を変えるなどして格闘してたところ、ようやくデータが表示された!

前回のケース固定との違いから、ケースの厚さが薄くなり、センサ部位がケース表面近くにまで露出させたことがよかったのかもしれない。

 

GPSDのインストール

以下に、GPSモジュールの利用に有効なGPSDサービスプログラムおよびGPS関連のユーティリティプログラムのパッケージインストール手順を示す。

0.準備作業として、前提となるGPSモジュールを接続してシリアルポートの信号受信を確認
1)シリアルポートのデバイスファイルの確認

 pi@raspberrypi:/boot $ ls -l /dev/* |grep serial
 lrwxrwxrwx 1 root root 5 Jan 3 00:52 /dev/serial0 -> ttyS0
 lrwxrwxrwx 1 root root 7 Jan 3 00:52 /dev/serial1 -> ttyAMA0
 pi@raspberrypi:/boot $

2)シリアルポートの設定確認

# vi /boot/cmdline.txt
 dwc_otg.lpm_enable=0 console=tty1 console=ttyAMA0,115200 root=/dev/mmcblk0p2 rootfstype=ext4 elevator=deadline rootwait fbcon=map:10 fbcon=font:ProFont6x11 logo.nologo
 # vi /boot/config.txt
 enable_uart=1

3)以上から、下記コマンドを実行して、シリアルポートの信号受信を確認。

 $ sudo cat /dev/serial0
 <出力内容は省略するが、NMEAフォーマットのデータが表示されることを確認>

※NMEAフォーマットデータについては、こちらを参照のこと。

以上、GPSモジュールが接続され正しく動作し、その出力がラズパイに届いていることを確認できたら、ここから本題のGPSDの導入作業に移る。

1.GPSモジュールを接続したラズパイにて下記コマンドを実行して、gpsd及びそのクライアントパッケージをインストールする。

pi@raspberrypi:/boot $ sudo apt-get install gpsd gpsd-clients
 Reading package lists... Done
 Building dependency tree
 Reading state information... Done
 The following extra packages will be installed:
 libgps21 python-gps
 The following NEW packages will be installed:
 gpsd gpsd-clients libgps21 python-gps
 0 upgraded, 4 newly installed, 0 to remove and 11 not upgraded.
 Need to get 524 kB of archives.
 After this operation, 1,079 kB of additional disk space will be used.
 Do you want to continue? [Y/n] Y
 Get:1 http://mirrordirector.raspbian.org/raspbian/ jessie/main libgps21 armhf 3.11-3 [208 kB]
 Get:2 http://mirrordirector.raspbian.org/raspbian/ jessie/main gpsd armhf 3.11-3 [93.4 kB]
・・・・・・・

<一部省略>
・・・・・・・
 Setting up gpsd-clients (3.11-3) ...
 Processing triggers for libc-bin (2.19-18+deb8u10) ...
 Processing triggers for systemd (215-17+deb8u7) ...
 pi@raspberrypi:/boot $

2.インストール直後にプロセスが上がるとのことなので、確認する。

pi@raspberrypi:/boot $ ps aux|grep gps
 gpsd 2572 0.0 0.7 13924 7204 ? S<s 22:09 0:00 /usr/sbin/gpsd -N

3.これを以下の手順で停止させる。
1)サービス名の確認と停止

# systemctl --all | grep gps
 gpsd.service loaded active running GPS (Global Positioning System) Daemon
 gpsd.socket loaded active running GPS (Global Positioning System) Daemon Sockets
# service gpsd stop

2)Defaultサービスのスタートアップ無効化

root@raspberrypi:~# systemctl disable gpsd.socket
Removed symlink /etc/systemd/system/sockets.target.wants/gpsd.socket.
root@raspberrypi:~#

4.スタートアップスクリプト/etc/default/gpsdにて、下記の通り追加修正する。

USBAUTO=”true”   =>"false"に変更

DEVICES=""      =>”/dev/serial0”に変更
 GPSD_OPTIONS=""   =>"-n"に変更
 

下記の一文を追加

GPSD_SOCKET=/var/run/gpsd.sock"

5.GPSDデーモンを起動させる。(上記設定の確認も含めて)

# service gpsd start
# ps -ef|grep gps
gpsd 2671 1 3 19:54 ? 00:00:00 /usr/sbin/gpsd -N -n /dev/serial0

参考)GPSD起動中にpsコマンドでプロセスを確認すると、上記ファイル内のGPSD_OPTIONSの値に記述されていないくても、デフォルトでgpsdのオプションとして”-N”が指定されているが、これは /lib/systemd/system/gpsd.service内にて、記述されているためである。

6.gpsmonを実行して動作確認を図る。

$> sudo gpsmon

[q]<RET>で、CUI画面を終了させることができる。

7.GPSDデーモンのスタートアップ起動の有効化

$ sudo insserv -d gpsd
または
$ sudo systemctl enable gpsd
Synchronizing state for gpsd.service with sysvinit using update-rc.d...
Executing /usr/sbin/update-rc.d gpsd defaults
Executing /usr/sbin/update-rc.d gpsd enable
Created symlink from /etc/systemd/system/sockets.target.wants/gpsd.socket to /lib/systemd/system/gpsd.socket.
$
本来なら、上記のいずれかでスタートアップが有効になるはずだが、
下記のコマンドを実施しないと、OS起動時に自動起動してくれない。
$ sudo ln -s /lib/systemd/system/gpsd.service /etc/systemd/system/multi-user.target.wants/

以上により、端末起動後、GPSDからGPSモジュールの測位データをいつでも取得できる状態となった。

以上

 

ラズパイのUSBポートの出力電流

ラズパイの初代B+, 2代目model B の USB ポートからの電源供給量はデフォルトでは、全ポート合計で500ないし 600mA までに制限されています。
しかし、ラズパイ Model B+以降からは、スペック的に全ポート合計で 1200mA(1.2A) まで出力できるよう設計され、/boot/config.txt の設定によって変更することができます。さらに、Raspberry Pi 3からはデフォルトで1.2Aとなっています。
ラズパイモデル USB ポート最大合計電源供給量
Raspberry Pi Model A 500mA
Raspberry Pi Model B 500mA
Raspberry Pi Model A+ 500mA
Raspberry Pi Model B+ 600mA
Raspberry Pi 2 Model B 600mA
Raspberry Pi 3 Model B 1200mA
Raspberry Pi 3 Model B+ 1200mA
 ※ラズパイ・ゼロの USB ポートの電力供給量が 1200mAに対応しているかは不明。

1200mA にすることで、USB機器をやたらと接続して、電力不足によって、起動できなかったり、動作が不安定になったり、リセットがかかったりしていた症状を解消してくれます。(USBポート全てに、キーボード+光学式マウス+WiFiドングル+USBメモリであれば利用可能。)
とはいえ、バスパワーのポータブルHDDは厳しいかと思われ、不足したらデータ消失のリスクが大きいので利用は避けたほうがいいかと思われます。
設定:
/boot/config.txt に以下の内容を追加します。
max_usb_current=1
最新の kernel では max_usb_current=1 だけ追加してください。
なお、古い kernel では
safe_mode_gpio=4
を追加する必要があったが、現在では追加不要。
/boot/config.txt を変更後、再起動(シャットダウン&電源ON)してください。
注) 変更後、ラズパイ本体への供給電源は、
2A 以上の電力を供給できるものに交換すること。

ラズパイとLinuxパソコンをシリアル接続する方法

ラズパイゼロを使って思ったのですが、、、

ラズパイゼロを使った装置(作品)を完成させて、いざ初回起動開始!のときに、「あれれ?うごかないぞ。。。」ってなった時や、「いままで動いてたのに急に動かなくなったぞ!?」って時に、無線LAN接続が使えればいいのですが、往々にして動かない時は、繋がらないもの。

なので、USBハブ+マウス+キーボード+HDMIモニタを接続して状況を確認・対処するということになるのですが、

それが自宅外とすると、そんなに機材を持ち歩くことは、しんどい!というか無理。

そこで、以前につい衝動買いで秋月で購入したUSB->RS232シリアル変換ケーブル「FTDI TTL-232R-3V3」(USB to TTL Serial Cable(3.3V)-1.8m)を使って、ラズパイとLinux(Debian)端末をシリアル接続する方法を以下に示す。

まずは、変換ケーブルの接続端子のピンアサインは、以下の通り。

黒=GND
 黄=RXD
 橙=TXD
 赤=Vcc(+5V)
 茶=CTS#
 緑=RTS#

この内、接続に必要なものは、黒と黄と橙の3つ。

一方、ラズパイのシリアル接続用のGPIOのピン番号は、
8番(TXD)、10番(RXD)、14番または6番(GND)

私のラズパイは、6番ピンをクーラーファンに使用しているため、14番としました。

6番ピンを使えれば、縦3つで横並びとなるので、3端子のコネクタがあれば、
変換ケーブルに既存の6端子コネクタから、うまい具合に端子を抜き取って※移植すれば、
ハンダ付けや工具や端子を購入する必要もなくなるかと思います。

※端子の抜き取り方法は、千枚通しとかシャーペン(壊れてもよいもの。要領が解れば壊すこともない)を使って、
コネクタ側面の端子金具が見える窓(=金具の出っ張りを引っ掛けるところ)に上記の道具の先を押し付けながら、
ケーブル方向に押し出すと、金属端子ごときれいに抜けるので、3端子のコネクタにそのまま差し込めると思います。

変換ケーブルとGPIOの接続は、以下の通りクロス接続させます。
 <変換ケーブル> |   <GPIO>
 黒(GND)   <=>  14番または6番(GND)
 黄(RXD)   <=>  8番(TXD)
 橙(TXD)   <=>  10番(RXD)

次に、ラズパイの方は、
/boot/cmdline.txtをエディタで開き、下記の箇所を確認の上修正。

 dwc_otg.lpm_enable=0 console=serial0,115200 console=tty1 root=/dev/mmcblk0p2 rootfstype=ext4 elevator=deadline fsck.repair=yes rootwait

修正ないし確認した後、シリアルコンソール接続するため、ラズパイをシャットダウンしておく。

接続するDebian端末において、
変換ケーブルをUSBポートに接続させた後、コンソールプログラムを立ち上げて、以下のコマンドを実行し、変換ケーブルのデバイスファイルを確認する。

 $> dmesg
 [201786.992092] usb 5-1: new full-speed USB device number 2 using uhci_hcd
 [201787.188131] usb 5-1: New USB device found, idVendor=0403, idProduct=6001
 [201787.188142] usb 5-1: New USB device strings: Mfr=1, Product=2, SerialNumber=3
 [201787.188150] usb 5-1: Product: TTL232R-3V3
 [201787.188156] usb 5-1: Manufacturer: FTDI
 [201787.188162] usb 5-1: SerialNumber: FTA3BBZ5
 [201788.243386] usbcore: registered new interface driver usbserial
 [201788.243444] usbcore: registered new interface driver usbserial_generic
 [201788.243491] usbserial: USB Serial support registered for generic
 [201788.247032] usbcore: registered new interface driver ftdi_sio
 [201788.247089] usbserial: USB Serial support registered for FTDI USB Serial Device
 [201788.247346] ftdi_sio 5-1:1.0: FTDI USB Serial Device converter detected
 [201788.247458] usb 5-1: Detected FT232RL
 [201788.247465] usb 5-1: Number of endpoints 2
 [201788.247472] usb 5-1: Endpoint 1 MaxPacketSize 64
 [201788.247478] usb 5-1: Endpoint 2 MaxPacketSize 64
 [201788.247484] usb 5-1: Setting MaxPacketSize 64
 [201788.252298] usb 5-1: FTDI USB Serial Device converter now attached to ttyUSB0
 以上の出力結果から、変換ケーブルのデバイスファイルは、”/dev/ttyUSB0”

さらに、Debian端末にて、シリアルポートがサポートされたターミナルプログラム(cuなど)をインストールする。

シリアル通信するデバイスを接続後、シリアル通信プログラムを実行して、シリアル通信が可能かを確認する。

参考)以下、シリアル通信プログラムとして、”cu”を使用して通信を確認する場合
% sudo chmod 666 /dev/ttyUSB0

補足)ラズパイのGPIOのシリアルポートは、”/dev/ttyUSB0”である。

% sudo cu -s 115200 -l /dev/ttyUSB0

と入力する(ボーレートとデバイス名は、接続機器にあわせて指定のこと)。

上記コマンド実行後,/dev/ttyUSB0に接続が成功すると,

Connected.

が表示され、ラズパイ待ち状態になるので、ラズパイの電源をONする。

しばらくすると、ラズバイのOS起動時のコンソール出力が、Debian端末のシリアル通信プログラムのウィンドウに表示される。

 pi@debian:~$ cu -s 115200 -l /dev/ttyUSB0
 Connected.
 [ 0.000000] Booting Linux on physical CPU 0x0
 [ 0.000000] Linux version 4.9.35+ (dc4@dc4-XPS13-9333) (gcc version 4.9.3 (crosstool-NG crosstool-ng-1.22.0-88-g8460611) ) #1014 Fri Jun 30 14:34:49 BST 2017
 [ 0.000000] CPU: ARMv6-compatible processor [410fb767] revision 7 (ARMv7), cr=00c5387d
 [ 0.000000] CPU: PIPT / VIPT nonaliasing data cache, VIPT nonaliasing instruction cache
 [ 0.000000] OF: fdt:Machine model: Raspberry Pi Model B Plus Rev 1.2
 [ 0.000000] cma: Reserved 8 MiB at 0x17400000
 [ 0.000000] Memory policy: Data cache writeback
 [ 0.000000] Built 1 zonelists in Zone order, mobility grouping on. Total pages: 97440
 [ 0.000000] Kernel command line: bcm2708_fb.fbwidth=1360 bcm2708_fb.fbheight=768 bcm2708_fb.fbswap=1 vc_mem.mem_base=0x1ec00000 vc_mem.mem_size=0x20000000 dwc_otg.lpm_enable=0 console=ttyAMA0,115200 console=tty1 root=/dev/mmcblk0p2 rootfstype=ext4 elevator=deadline fsck.repair=yes rootwait
 [ 0.000000] PID hash table entries: 2048 (order: 1, 8192 bytes)
 ・・・・省略・・・・

ログインプロンプトが表示されるので、ラズパイのアカウント情報を入力してログインし、間違いなくシリアル接続したラズパイであることを確認する。

・・・・省略・・・・
 b1/1-1/1-1.5/1-1.5:1.0/0003:093A:2521.0003/input/input2
 [ 4.981346] hid-generic 0003:093A:2521.0003: input,hidraw2: USB HID v1.11 Mouse [USB OPTICAL MOUSE] on usb-20980000.usb-1.5/input0
 [ 5.017712] fuse init (API version 7.26)
 [ 5.061482] i2c /dev entries driver

Raspbian GNU/Linux 8 raspberrypi ttyAMA0

raspberrypi login: pi
 Password:
 Last login: Mon Oct 8 22:27:33 JST 2018 on tty1
 Linux raspberrypi 4.9.35+ #1014 Fri Jun 30 14:34:49 BST 2017 armv6l

The programs included with the Debian GNU/Linux system are free software;
 the exact distribution terms for each program are described in the
 individual files in /usr/share/doc/*/copyright.

Debian GNU/Linux comes with ABSOLUTELY NO WARRANTY, to the extent
 permitted by applicable law.
 pi@raspberrypi:~$

以上